ハラビロトンボも陽射しを避けていた!
暑さを避けるハラビロトンボ
ハラビロトンボのオス
ハラビロトンボのメス
ハラビロトンボの交尾
ハラビロトンボは、ギンヤンマ、キイトトンボ、ショウジョウトンボなどと一緒に私がトンボに興味を持ち出すきっかけになったトンボです。
このハラビロトンボはシオカラトンボに似ていますが、腹の部分が少し広がっていて、少し小さいのです。
シオカラトンボの生息地は広範囲にわたるのに、ハラビロトンボのそれは生息地域が限定されていて、水辺に近い叢に多いように感じています。
「とんぼのめがね」(作詞 額賀誠志 作曲平井康二郎)の「とんぼのめがねは みずいろめがね あおいおそらを とんだから とんだから」のみずいろめがねはシオカラトンボの複眼の様子を表したものだと思われます。
実は緑っぽいのですが、青の概念に緑も含まれているからです。
緑色なのに青信号というのと同じです。
そのくらいトンボといえばシオカラトンボを思い浮かべるのが一般的なのです。
蟹江周辺のハラビロトンボの生息地は、善太川土手近くの田んぼ脇の叢と愛西市の福原輪中の長良川の河岸の叢などです。
田んぼ近くのどこにも見られる訳でもありません。
その善太川の新大井橋の土手を歩くと、岸近くの叢でハラビロトンボを数年前には見かけていたのに、叢の草刈りなどの作業が入って、昨年からはそこではハラビロトンボは見かけなくなりました。
最近は除草剤を撒いて、雑草を根こそぎ枯れさせてしまいます。
人材不足もあってか、また農薬を多用するようになっているようです。
昔のような農薬漬けにして「沈黙の春」が再現しなければ良いなと思ってしまいます。
少しの条件が変化しただけでハラビロトンボの生息地は変わってしまいます。
善太川の土手の田んぼで数年前から放棄地になっていた田んぼ跡がありました。
昨年から浅い水位のまま冬を越しました。
そこにハラビロトンボが見られるようになったのです。
叢に何匹もいて、水辺にはオスが待機しています。
一度だけ交尾態になり、水辺で産卵しているのを見かけました。
交尾するとき、オスは尻尾の端を上に向けてメスの方に近づき、一瞬で交尾しました。
その後離れてメスが水辺で産卵し始まると、オスは上空で警護していました。
この一瞬を写真や動画に撮りたいと思っているものの、なかなか撮れないでいます。
その場面を何とか撮りたいと午後2時過ぎに出かけました。
その日は気温が32度くらいで陽射しがとても強かったのです。
ハラビロトンボは飛び回っておらず、葉の裏にとまっていました。
変温動物である彼らは、気温が低すぎても高すぎても行動できないようです。
ハラビロトンボが活発に行動できる気温の幅があるようです。
他のトンボたちも陽射しが強い時には暑さを避ける行動をとりますが、ハラビロトンボは葉の裏にとまって暑さを避けていました。
生きるのは大変だなあと思ってしまったものです。
(トンボ科 ハラビロトンボ属)
カモ撮りこうちゃん