ギンヤンマの連結態に襲いかかるオスの行動
連結態に襲いかかるギンヤンマのオス その1
連結態に襲いかかるギンヤンマのオス その2
産卵の様子を窺うオス
飛翔中の連結態の様子を窺うオス
蟹江周辺ではギンヤンマはよく見かけるヤンマ科のトンボで、緑を基調にしたとても綺麗なトンボです。
どのトンボのオスも成熟してくると、水辺で縄張りを作ります。
シオカラトンボ、ショウジョウトンボやコフキトンボは、とまっている植物の茎から飛び立って、侵入してきた他のオスを追い払うと元も茎に戻ってきます。
ギンヤンマは飛翔しながら縄張りを巡回して、他のオスが来ると追いかけて2匹が高く飛び上がって、そして戻ってきます。
他のオスも隣り合わせの縄張りに戻っていきます。
これらのオスは、メスが自分の縄張りに入ってくるのを待ち受けているのです。
田んぼの一角を縄張りにしているオスは、田んぼのイネ1つ1つチェックしていきます。
メスはイネの葉にとまっていることも多いので、チェックする価値はあるというものです。
上手くメスを捉えると交尾態になって、メスに精子を副性器から送り込むと、今度は連結態になって、いろいろな場所で産卵します。
産卵は1か所だけでなく、移動しながら何か所かに産卵していきます。
子孫を増やすのに合理的な産卵方法です。
でも産卵する場所は、他のオスの縄張り内のことがほとんどです。
縄張りオスは産卵しやすい場所で単独メスが来るのを待ち受けているからです。
その縄張り内に連結態のオスとメスが入りこんで水草などの上で産卵しています。
観察していると、縄張り内のオスは連結態のオスとメスが産卵していても気にしないで巡回している場合もあれば、産卵場所近くまで来て様子を見て離れていくオスもいます。
その例が多いので縄張りオスは連結態のオスとメスの産卵は邪魔しないのだと思うようになっていました。
数年前に永和の田植えがしてない水田で、産卵中の連結態のオスとメスに縄張りオスが襲いかかって、メスを奪おうとしている場面を見かけました。
その連結態のオスとメスは水中に沈み込んでしまいました。
そのくらい激しい縄張りオスの攻撃でした。
そんなときも連結オスはメスを離しませんでした。
離したらメスを奪われるからです。
そんな攻防をときどき見かけるようになりました。
縄張りオスにとって連結態のメスを奪えれば、自分の子孫を繋ぐ可能性が高まります。
メスが来るまで待っているよりは効率的です。
いつも不思議に思うのは、積極的に襲いかかるオスもあれば、連結態のオスとメスが産卵していても知らん顔で巡回しているオスがいることです。
その行動を分ける条件があるはずなのですが、今のところは不明です。
これらを見て、子孫を繋ぐことはどの野生動物にとっても大変なことだと思ってしまいました。
(ヤンマ科 ギンヤンマ属)
カモ撮りこうちゃん