タイワンウチワヤンマと思われるヤンマを見かけた!
蟹江周辺ではウチワヤンマを多くは見かけませんが、それでも夏になると日光川ウォーターパークの大膳川、飛島村の三福や永和の沼で数匹見かけています。
また海津市徳田の沼でも何匹か見かけました。
年々その数が減っている感じがしています。
数日前に永和の沼と雑木林に出かけました。
すると雑木林の端の枝の先に見慣れないトンボがとまっています。
すぐ尻尾がウチワになっていないか見たのですが、ウチワらしいものは分かりませんでした。
そこでオオヤマトンボではないかと思ったものの、それにしては尻尾が細いのです。
頭の大きさからするとサナエトンボの仲間かも知れないと思いました。
駐車している車の方に戻ってくる途中で、沼の中の枯れ木が水面上に出ている枝にウチワヤンマらしいものがとまっていました。
例年、この季節にはウチワヤンマがとまっていることがあるのです。
今年はとまっていないなぁと思っていた矢先のことでした。
そのウチワヤンマらしいトンボの体長は小さい感じです。
尻尾のウチワもウチワらしく見えませんでした。
ウチワヤンマではないと直感しました。
ウチワヤンマにはタイワンウチワヤンマがいることは知っていました。
温暖化が進んで、タイワンタケクマバチが日本に入り込んで勢いを持っていることも知っています。
独自に台湾から飛翔してきたのでなく竹材に紛れて入り込んだものと思われます。
タイワンウチワヤンマがどのようにして日本に入り込んできたのか分かりませんが、「日本のトンボ」(尾園暁 川島逸郎 二橋亮 文一総合出版)の分布図によると、九州・西日本から伊豆半島までの主に平野部に進出しているようです。上述の本には「平地~丘陵地の抽水植物の繁茂する水面の開けた池沼。卵期間1~2週間程度。幼虫期間1~2年程度(1~2年1世代)。幼虫で越冬する。大型のサナエトンボで、オスメスともに腹部第8節の側縁がウチワ状に広がる。ウチワヤンマに似るが、腹部第8節のウチワ状の広がりが小さく、全体が黒いことで区別できる。メスは一見オナガサナエにも似るが、尾毛が黒い。~中略~ 国内の種では、ウチワヤンマと近縁である。近年、温暖化の影響からか、生息域が東進、北上している。」と記されています。
また体長はウチワヤンマ(オス)が77~87㎜なのに対し、タイワンウチワヤンマ(オス)は70~81㎜で小振りのようです。
これまで撮ったウチワヤンマの写真を見てみたら、タイワンウチワヤンマとウチワヤンマが混在していました。
タイワンウチワヤンマをウチワヤンマだと思い込んでいたようです。
今回は違和感を持ったことで両者の違いを区別できるようになったのです。
あることをきっかっけに新しい細かい認識の違いを学ぶことができることも、動植物との出会いの醍醐味ではないかと思っています。
(トンボ目 ヤンマ上科 サナエトンボ科)
カモ撮りこうちゃん