ケリとタゲリの静かな争いを見かけた
先日のケリとタゲリ(2022.3.8付)のblogでは、飛島村の畑で留鳥のケリと冬鳥のタゲリが数年かけて馴染みになってきたと書きました。
タゲリは群れで飛島村にやってきてから、2月と3月はそれぞれに分かれて近くの畑で餌探しをします。
分散するといってもそれ程距離が離れている訳ではなさそうです。
飛島村の畑は麦、ホウレン草やキャベツ畑になっているところもありますが、土起こししたままの裸の畑もあります。
田んぼにする予定の場所でしょう。
そんな土起こしした畑をタゲリがあちこち歩きながら餌探しをしていました。
そんな矢先面白いケリとタゲリの行動を見かけました。
畑の土手に飛んできたタゲリに畑の真ん中にいた留鳥のケリが歩いて近づいていったのです。
タゲリは歩いて離れていきました。
ケリはそれを追いかけていきます。
タゲリはまた離れていきます。
ケリはそれを追いかけていきます。
そんなことが繰り返されました。
最初は単なる偶然かと思ったものの、ケリは意図的にタゲリを追いかけているようです。
タゲリは意図的に逃げていきます。
何故なんだろうと思いました。
その様子からある考えに至りました。
ケリは4月半ばにヒナが生まれます。
するとこの時期は繁殖期に入る時期です。
このケリは自分の縄張りに入ってきたタゲリを追い出そうとしていたのではないかと推測しました。
激しく追い立てる訳ではなく、縄張りに入らないように追いかけて威嚇していたのではないでしょうか。
ところがケリはタゲリをいつまでも追いかけないで、あるところでをやめました。
そして地面を突っついたのです。
縄張りに入ってきたタゲリを追い出す時には攻撃心が強かったのでしょうが、見えない縄張り境界線を越えると、その攻撃心は弱まってしまいます。
さらに攻撃心を持って追いかけるか、追いかけるのをやめるかの葛藤に陥って地面を突いたのではないかと思われるのです。
その気持ちを地面を突く行動で表したのではないかと思われます。
転移行動です。
地面を突いたところがケリの縄張りの境界線だった可能性が高いように思ったものです。
転移行動については数年前に海津市森下で、トビが捕った魚をカラスが2羽来て横取りされ、カラスに追い立てられて近くの電柱にとまりました。
そのトビは余程腹がすいていたのか、電柱の上で魚がないのに啄み行動をしたのです。
食べたいけど餌を奪われた心理的葛藤を、啄み行動という転移行動で表したのではないかと思ったものでした。
こうした行動を見ると、鳥たちにも心理的な側面があると思われてなりません。
(どちらもチドリ目 チドリ科)
カモ撮りこうちゃん