樹液を吸いに来たルリタテハを3匹見かけた!

ルリタテハの表翅

ルリタテハの裏翅

ルリタテハとオオスズメバチの樹液を巡るせめぎ合い

数日前に海津市森下の放置されたままの神社の境内に写真を撮りに行きました。

ここにはクヌギかアベマキか分かりませんが、樹液が出ている大木があります。

それに気がついたのは2年前でした。

その樹液に、色々な昆虫が集まって来ていたのです。

例えばヒメアカタテハ、サトキマダラヒカゲ、コムラサキ、ルリタテハ、キタテハなどのチョウの他に、オオスズメバチ、コクワガタ、カナブンなどが来ていました。

ところが今年になって、だんだんと樹液の出が少なくなってきているようです。

以前はその幹近くに行くと、ボアっとした樹液の臭いが漂っていたのですが、最近はその臭いが少なくなってきているのです。

木の側からしたら、樹液を出し続けるのを防ぐように守る仕組みがあるのは当然のことですね。

だんだんチョウなどが樹液を吸いに来る回数が減ってきました。

それでも今年になって、初めてアカボシゴマダラが吸汁に来ているのを見かけました。

数日前にその樹液を出している木の幹を見にいったら、そこにルリタテハが3匹とまっていて樹液にありつこうとしていました。

そこにはオオスズメバチが2匹いて、樹液を吸いに来ていました。

オオスズメバチが占拠している場所に何とか入り込もうと様子を伺っているところでした。

ルリタテハが3匹いたのには驚きました。

というのも叢や雑木林付近でルリタテハは殆ど見かけないのです。

東北の天童付近に比べて数が少ないこともありますが、殆どで会うことはないのです。

そんなルリタテハが、3匹もこの木に集まっているのは奇跡に近いと思ってしまいました。

 このルリタテハの樹液の吸汁を妨げるのはオオスズメバチです。

ルリタテハが近くに来ると追い払います。

このオオスズメバチは参道を挟んだ叢の地面に巣を作っています。

多分土の中には大きな巣があるのではないかと思われます。

昨年は境内の木に巣がぶら下がっていましたが、今回は地面の下に巣を作っているようです。

多分この樹液があることを知って、近くに巣を作っているのだと思われます。

ところで昔からルリタテハの表翅は瑠璃色と白の線が入って綺麗だなぁと思っていたのですが、裏翅は黒っぽくて翅を閉じると、ルリタテハの存在が分からなくなってしまうのです。

今回もこの木の幹に翅を閉じている時は、裏翅の模様と色合いが保護色になって存在が分からなくなってしまったのです。

タテハチョウの仲間の裏翅は同じ雰囲気のものが多いのですが、クヌギやコナラなどの樹液を吸いに来る時に、その幹の模様と似ているように進化してきたのではないかと考えられるのです。

その様子を見て、凄いなぁと思ってしまいました。

(タテハチョウ科 ルリタテハ属)

カモ撮りこうちゃん