愛西市でミゾカクシが咲いているのを見かけて驚いた!
ミゾカクシの花
群生する様子のミゾカクシ
天童周辺では夏になると、田んぼの畔で時々ミゾカクシを見かけました。
群生していることが多いのすが、名前通りの溝を隠すほど群生しているのは見かけたことはありませんでした。
ピンクで小さく櫛の歯のような姿が、とても印象に残る花でした。
でも農家の人たちにとっては困った雑草の1つではないかと思われます。
私が好きなイボクサの花も魅力的ですが、イボクサも困った雑草として嫌われています。
花は3弁の花で、花弁の先が薄ピンクでなかなか魅力的な花なのです。
昔からミゾカクシも薄いピンクの色合いでなかなか魅力的な花だと思っていました。
ミゾカクシは蟹江に戻ってから10年ほど全く見かけていませんでした。
この地方では生えていないのだと思っていました。
ところが愛西市の船頭平公園内の閘門近くの土手で、数日前にミゾカクシを見かけました。
土手全体に生えているという訳ではなく、外来植物のメリケンムグラが群生している場所に混在して生えていたのです。
その様子から、昔から生えているミゾカクシが、生態的に同じ位置にあるメリケンムグラに押しやられているのではないかと思われるのです。
この船頭平公園は木曽川西岸にあるにもかかわらず、愛西市に属しています。
木曽川を挟んで愛知県なのです。
初めこれを知った時は吃驚してしまいました。
この公園は福原輪中の南側に属しています。
明治初期までは木曽三川(木曽川、長良川、揖斐川)は分流していなかったので、60以上の輪中があった地域です。
1984年に立田大橋ができて、木曽川東岸から西岸の桑名市まで行かれるようになるまで、これらの大きな河川に挟まれて陸の孤島だったのです。
この様子から私は日本のガラパゴス島と呼んでいます。
そんな環境だったので、今でもこの土地特有の植物が見られるようです。
というよりは、昔あった植物がまだ存在しているという意味ですが。
他では見かけないタツナミソウ、ミズヒキ、サクラタデ、アキノウナギツカミなどを見かけていました。
それに今度はミゾカクシを見かけたのです。
これらは西尾張の他の地域では全く見かけていません。
他地域では頻繁に草刈りして、昔からの植物は絶えてしまっている可能性があります。
船頭平公園でも草刈りなどをしているものの、これらの植物は今のところは生き続けているのだろうと思われます。
「野草・雑草の事典530種」(金田初代 洋一郎 西東社)には、ミゾカクシは「分枝した茎が地面を這い、節から根を出して広がります。狭い長楕円形の葉が互生し、葉腋から長い果柄を伸ばして淡紫色の花をひとつ上向きに開き、初夏から秋の頃まで咲きます。湿地や他の畔などに群生し、溝を覆うほど茂ることが名の由来です。また他の畔を筵を敷いたように広がる様子から、アゼムシロの別名もある。」と記されています。
(キキョウ科 ミゾカクシ属)
カモ撮りこうちゃん