ゴマダラチョウの仲間のアカボシゴマダラを初めて見かけた!

樹液を吸うアカボシゴマダラ

樹液のできる場所を探すアカボシゴマダラ

蟹江周辺の何か所かを定点観測地にして、ある期間ごとに回っています。

その中に海津市森下の廃神社の境内があります。

鳥居から本殿までの間にクヌギかアベマキかブナ科の大木が何本も立っています。

この境内はタケ、アオキ、ヤブニッケイやニッケイも生えていて薄暗い雰囲気です。

多分アベマキだと思う大木に樹液が出ている箇所があって、昆虫たちがやって来ます。

大量に樹液が出てはおらず、幹の小さい穴に入り込んでいくオオスズメバチなど見かけます。

この樹液が出ている大木の近くに行くとボアっとした、樹液の匂いがするのです。

この樹液の匂いに誘われて、昆虫たちが集まってくるのです。

この幹に昆虫が集まって来るのを知ったのは一昨年の夏でした。

そこで夏には、この木の樹液に集まる昆虫たちの写真を撮りに行っています。

どんな昆虫が来ていたかというと、カナブン、オオスズメバチ、コクワガタ、キタテハ、ルリタテハ、サトキマダラヒカゲ、ヒメアカタテハ、コムラサキ、ゴマダラチョウでした。

チョウの中には、花の蜜に集まるよりは樹液や腐果などにやってくるチョウがいることを知るようになりました。

数日前にゴマダラチョウが何匹かやってきて、樹液を懸命に探している場面を見かけました。

それから数日たって、その場所で初めてのチョウに出会いました。

表翅の下の方に赤い丸い斑紋がいくつも並んでいるチョウです。

知っているゴマダラチョウに雰囲気は似ていますが、模様が違います。

これがアカボシゴマダラだったのです。

「日本のチョウ」(日本チョウ類保全協会編 誠文堂新光社)には「中型。表の地色は黒褐色。翅脈を残して白色~淡白青色の斑紋が占める。食草はクワノハエノキ(ニレ科)。生息環境は平地~低山地の樹林。低山地よりも平地・丘陵や人家周辺、墓地などを好む。行動は日中、樹冠を滑空しながら飛翔し、高所の葉上に翅を開いて静止する。オスは山頂で占有行動をとる。腐果や樹液で吸汁し、ホルトノキへの訪花例や吸水例もある。生息状況は個体数は本来余り多くなかったが、開発などにより生息地が減少している。関東で広がっている中国産の外来アカボシゴマダラとは交雑可能であり、今後、人為的に侵入しないよう注意が必要である。」と記されています。

また国産のアカボシゴマダラの生息範囲は奄美諸島になっています。

中国産のアカボシゴマダラを調べてみると、今回見かけたチョウとは模様が違っていて、奄美諸島で生息しているアカボシゴマダラと確認できました。

こんな遠方でなぜ見かけたのは、とても不思議です。

多分台風などの風に乗って移動してきたのかも知れません。

温暖化でナガサキアゲハと少しずつ北上してきている可能性も考えられます。

そうしてお前はここにいるのと、何故か聞いてみたくなってしまったものです。

(タテハチョウ科 アカボシゴマダラ属)

カモ撮りこうちゃん