今年になって、マユタテアカネを見かけた!

マユタテアカネのオス

マユタテアカネのメス

アカトンボには沢山の種類があって、区別し辛いのです。

基本的にはトンボ科アカネ属のトンボを指しているので、真っ赤なショウジョウトンボのオスは、アカトンボの代表のように思っていましたが、分類上はアカトンボではないらしいのです。

「とんぼの不思議」(新井裕 どうぶつ社)には「アカトンボはトンボの中でおなじみで、アカトンボという種類がいると思っている人が多い。しかし、実はアカトンボというのはグループ名で、アカトンボという名の種類はいない。このグループは世界で50種ほど知られ、その分布域はヨーロッパや北アメリカなど温帯地域の冷涼な場所に限られる。日本には20種ほどのアカトンボが分布しており、アキアカネ、ナツアカネなどアカネと名づけられているものが多い。アカトンボは、その名のように、赤い種類が多いが、中には黒い色をしたアカトンボや、青いアカトンボもおり、赤いからアカトンボの仲間、というわけではない。トンボのグループ分けは翅脈などによって行われており、ある一定の翅脈配列を持つトンボがアカトンボに属し、たまたまその仲間に赤い色をしているものが多い、ということである。」と記されています。

トンボ科の前縁の翅脈数が10本以上のものにはシオカラトンボやショウジョウトンボの仲間やウスバキトンボの仲間が入ります。

トンボ科の翅脈数が9本未満のものがアカトンボやコフキトンボの仲間が入ると言われています。

アカトンボの仲間とコフキトンボの仲間の違いは難しくなないので、9本未満のものがアカネと呼ばれていることになります。

ショウジョウトンボのオスやウスバキトンボは、体色が深紅や黄色でも、分類上はアカトンボに入らないらしいのです。

不思議ですね。

このアカネ属に入る赤とんぼですが、どれも同じように見えて区別ができませんでした。

メスは更に区別できなかったのです。

それでも何年か観察しているうちにナツアカネとアキアカネ、ノシメトンボとコノシメトンボの違いも分かってきました。

その違いを確認する時には、そのトンボの胸の黒条の模様で区別するようになりました。

アカトンボの中で、マユタテアカネはいつか知りたいと考えていました。

いつも通う養老山地のハリヨ公園(南濃梅林)に、7月に雑木林の叢で、初めてのアカトンボを見かけました。

胸の黒条の様子から、マユタテアカネだと思われます。

また顔面には眉状斑があります。

翅の先端が薄い黒色斑があるメスも確認できました。

「日本のトンボ」(尾園暁 川島逸郎 二橋亮 文一総合出版)にもメスには黒色斑があるものが多いと出ていました。

このマユタテアカネは、秋になるまでこの養老山地の麓で過ごすと思われます。

成熟するまでここで過ごすらしいのです。

これからも観察したいと思っています。

(トンボ科 アカネ属)

カモ撮りこうちゃん