カイツブリの子育てと、オスとメスの役割を考える

5月10日に見かけたカイツブリ

5月29日に見かけたカイツブリ

6月18日に見かけたカイツブリ

弥冨市三ツ又池公園にはカイツブリが住んでいます。

ここの池は宝川に入るところが滞留して池になっているところ、池といってもかなり大きいのです。

毎年、そこの何個かの発泡スチロールを巣にして、カイツブリが産卵・育雛しています。

発泡スチロールは現代の環境では営巣するには良い材料だと思います。

ところが発泡スチロールの箱が、今年は1個しか浮かんでおらず、カイツブリの数が少ないようです。

今回孵化させたカイツブリは、抱卵している頃から何回か写真と動画を撮りに行きました。

1回目は5月10日でした。

その時は親が巣の上で抱卵していました。

次に出かけたのは5月29日でした。

まだその時も抱卵しているだけでした。

孵化するまで3週間と聞いていましたが、ヒナがいるとは思えなかったのです。

カイツブリのヒナは、危険な時や寒い時、親のカイツブリの羽の中に入り込みます。

そして親の羽毛の中から顔を出します。その姿がまた可愛らしいのです。

6月18日には、池の真ん中に親と2羽のヒナが泳いでいました。

親は盛んに水に潜っていきますが、ヒナたちはまだ潜れないらしく、親が出てくるのを待っています。

浮上して来ると、親のところへ急いで泳いでいきます。

親のうち、1羽が魚を咥えてくると、すぐ行って与えて貰っています。

巣に戻って、巣の上で親とヒナが寛(くつろ)いでいる様子も見かけました。

親がヒナを面倒見る様子を見ると、健気で愛情深いと感じてしまうのです。

このカイツブリの親子ですが、ヒナを見ているのはメスではないかと思われます。

抱卵しているのもメスで、孵ってからも引き続き、ヒナの面倒をみているようです。

オスはどうしているかというと、巣から離れて水中に潜ったりしています。

魚を捕らえると、それを咥えて巣に帰ってきます。

ヒナたちが急いで泳いで行って、それを貰うのです。

他にオスは巣の補強用の水草を採って来て、メスに渡すとメスはそれを巣の補強に使っています。

過去に見かけたカイツブリでも同じように、番いのオスとメスでは役割分担が決まっているようなのです。

生得的に決められた役割分担かも知れません。

このようなオスとメスの役割分担は、ケリでも見られます。

ヒナが孵って田んぼで採餌している時に、いつもそばで見張っているのはメスで、オスは離れたところで、外敵の侵入を警戒しています。

こうした性役割は生得的に決まっている可能性があります。

人間の男女が子どもを同じように養育すべきという考えは、どう考えたら良いのかという問題とも関連します。

人間も進化の系統樹の一端にいると考えれば、男女の性役割は生得物が関わると考えられるし、人間特有だと考えれば、今風の養育の仕方があり得るとも考えられます。

面白い問題です!

(カイツブリ科 カイツブリ属)

カモ撮りこうちゃん