ツチイナゴの成虫を5月と6月に見かけた!
5月8日に見かけたツチイナゴ
6月8日に見かけたツチイナゴ
これまで見かけているツチイナゴの幼体と成虫
バッタ類で似た感じの仲間にはトノサマバッタ、イナゴ、ツチイナゴがいます。
トノサマバッタやイナゴは、6月から10月頃まで成虫をよく見かけます。
春に卵から孵って、それが脱皮を繰り返して大きくなり、成虫になるのがこの時期なのです。
ところが似たバッタのうち、ツチイナゴは夏から9月頃には、卵からかえってまだ間もない幼体しか見かけません。
最初見かけたのは、福田川の堤防と藤前干潟の叢でした。
まだ緑色の幼体で、こんな幼体のバッタがいるのかと不思議に思ったのです。
このツチイナゴは、叢にいることが多く、特にカワラケツメイやカナムグラの葉の辺りでよく見かける印象があります。
余り飛翔力はなさそうで、長く飛んでいく姿は見たことがありません。
他のバッタとの違いといえば、目の下に涙が流れた様な黒い線が見られるので、この特徴だけにすがって、ツチイナゴかどうかを判定しています。
ウィキペディアのツチイナゴでは「バッタ類の多くはイネ科やカヤツリグサ科の植物がまばらに生えた草原を好むが、ツチイナゴはクズやカナムグラなどの生い茂ったマント群落を中心とした草丈の高い草原に多く生息し、主に食べる植物もそれらの葉の広い植物である。あまり飛ばずに、跳ねたり歩いたりすることが多い。また日本に分布するバッタ類は卵で越冬する種類ばかりだが、ツチイナゴはライフスタイルが丁度半年分逆転しており、成虫で越冬する。成虫は10月頃から現われはじめ、冬になるとそのまま草原の枯れ草の下で越冬する。春になると再び活動し、6月頃まで成虫がみられる。他のバッタ類が成虫として活動する夏頃には、ツチイナゴはまだ幼虫である。」と記されています。
冬にも成虫で過ごしている筈なので、冬の最中や春に成虫に出会ってみたいものだとずーっと思っていたのです。
「ツチイナゴの生態・豆知識8選」には「真冬でも見られるバッタになります。ツチイナゴは夏場は幼虫の姿で、冬に成虫になり成虫の姿で越冬するのですが、実はあまり寒さには強く無く、凍結するような寒い環境では春まで生き残れないそうです。ツチイナゴの寿命は約10ヶ月程度になります。」と記されています。
今年になって、5月8日に船頭平河川公園の叢で、偶然成虫を見かけました。
ツチイナゴは成虫でやはり冬を越しているんだなぁと思ったのでした。
6月4日にも弥富市宝川の土手の叢でも成虫を見かけました。
少し経つと叢の中に入り込んでいきました。
これらの成虫がその後産卵して、それが8月頃に卵が孵化するのではないかと思われます。
昔の私なら、こんな早い時期にトノサマバッタが見られるなんてと思ったに違いがありませんが、ツチイナゴを知ってからは、いつか見たいと思っていたのでした。
物を知っていくと、新たな期待や出来事を予測できるようになるんだなぁと思ったものでした。
(バッタ科 ツチイナゴ属)
カモ撮りこうちゃん