5月30日に飛島村でマガモを1羽見かけた!
5月30日に見かけたマガモ
飛び立っていったマガモ
飛島村は日光川、善太川、宝川などの川が合流して、最後に伊勢湾に流れ込む河口近くにあります。
冬の間には日光川や善太川の河口から少し上がった所には、冬鳥のマガモ、コガモ、ハシビロガモ、ヨシガモなどが見られます。
越冬する場所は、カモたちによって違っているようです。
マガモは、日光川、善太川などの河口に多く、群れになって過ごしています。
春が近づくと、それぞれのカモたちは北帰行しますが、同じ時期ではなく、マガモとヨシガモが早く、ハシビロガモが続き、最後がコガモという順序でいなくなります。
マガモとヨシガモは3月初旬には見られなくなります。
ハシビロガモの飛島村の金魚養殖池跡で過ごした群れは、4月下旬まで田んぼでうろうろしています。
コガモは5月の連休明けになると見かけなくなります。
同じ種類のカモが全て同時にいなくなるのではなく、三々五々いなくなる感じです。
ヨシガモを見ていると、家族単位で北帰行するのが原則ですが、2羽だけが残っているケースも度々見かけます。
北帰行して繁殖地に着くと、すぐに営巣して産卵・育雛しなければなりません。
そのため越冬している間に番い形成をしておく必要があるのです。
大きな群れの家族が移動していなくなっても、残っている番いは、群れの家族に遅れて北帰行していくようです。
それまで連れて来られた越冬地までの地図と、方向を定める本能的な感覚能力を使って、繁殖地に戻るのか、それとも大きな群れに追いつくのかは分かりませんが、3月末にはいなくなります。
こうした例は、特別ではなく、大きな群れがいなくなっても、2羽でいるペアを毎年よく見かけるのです。
コガモでも同じで連休頃には多くのコガモはいなくなっているのに、5月半ばまで2羽で岸壁などにいるコガモの番いもよく見かけます。
飛島村渚で5月30日にマガモが田んぼに降り立ったのを見かけました。
数年前には、オスとメスを見かけたこともありますが、その時はカルガモの群れに混じっていました。
今回は1羽のオスでした。
マガモの北帰行の時期から3か月ほど経っているので、もう営巣場所に帰っても、繁殖に参加することは出来ないでしょう。
北帰行しないマガモがなぜいるのか、とても不思議です。
生得的にプログラムされた行動によって、何千キロに亘る距離を移動している渡り鳥は、恐らく太陽高度や地磁気に規定されて移動しているのではないかと思われます。
太陽高度が高くなり光量が多くなると、体内のホルモン分泌が増え、それが脳への刺激となって北に向かいたくなる衝動が高まるのではないかと思われます。
そのプログラムを補完するのが群れでの行動で、地理的な学習も行動に影響すると考えられます。
残ってしまったマガモは、群れからはぐれ、かつ生得的プログラムの破損がある可能性があります。
なかなか難しい問題ですが、そんな被害者かも知れないなぁと思ってしまいました。
(カモ目 カモ科)
カモ撮りこうちゃん