ツマキチョウを今年も見かけたけど、近い将来いなくなるだろうな!

4月5日に見かけたツマキチョウ

雑木林の周辺を飛翔するツルキチョウ

ここ5年程、4月初旬から下旬にかけて永和の雑木林付近で、ツマキチョウを見かけています。

蟹江周辺のこの地域だけで世代を繋いでいると思われます。

ツマキチョウの幼虫の食草は、「日本のチョウ」(日本チョウ類保全協会編 誠文堂新光社)によると、「タネツケバナ、イヌガラシ、ハタザオ、ミヤマハタザオ(アブラナ科)、ショカツサイ、セエイヨウカラシナ、コマツナなどの外来アブラナ科植物。」となっています。

今、永和周辺ではタネツケバナが沢山花をつけています。

もう花が終わって実になっているものもあります。

イヌガラシも畔にはありますが、タネツケバナの方が断然多いようです。

3年程前までは雑木林脇の農道は整備しておらず、農道脇にアブラナの仲間の花が咲き、雑木林の丘状の土手にはタンポポが沢山咲いていました。

またホトケノザやカラスノエンドウも花が咲いていました。

そこでは幼虫の食草だけでなく、成虫のエサとなる花の蜜を持つ植物もかなり生えていたのです。

ところが2年程前から、農道に農水管を埋め立てる工事をするために、農道を広げてある部分はコンクリートにしてしまいました。

なぜ農水管を埋設したかというと、田んぼに木曽川の水を入れるためです。

近くを流れる日光川水系は、工場や家庭からの排水で汚染されているので、わざわざ木曽川から水を引いてくるのです。

その工事のために道路を拡張して、その端の叢を刈り取り、しかも近くの木々も伐採してしまいました。

その為に、アブラナの仲間やタンポポ類も刈り取られてしまいました。

また数年前からカメムシが増えてきたことから、その道路や畔の叢に除草剤を散布するようになりました。

道路脇の植物はみな枯れてきました。

何か月か経つとまた植物が生えてくるものの、ある植物だけが生えてきているのです。

環境がこのように変わってきているので、ツマキチョウが食草に産卵し、蜜を吸える植物がなくなってきているのです。

それでも4月5日に、偶然にツマキチョウのオスを2匹見かけました。

12時前だったので、盛んに飛び回ってメスを探していました。

でもこの雑木林と、少し離れた雑木林にいつもいることが多いのですが、かなり遠方まで遠征していく様子を見かけました。

飛んで行ったツマキチョウは、羽化して成虫になった場所を刷り込まれている可能性もあるので、少し時間が経つと元の場所に帰ってくることも考えられます。

そんなことが本当に起こるかどうか、数日経ったら観察しにこようと考えています。

人間の都合だけを考えて、環境をこのように変えてしまうことに罪悪感はないのか不思議になります。

イヌに服を着せて桜の下で写真を撮る人たちなど、動物の状況を斟酌しないで人間本位のおもちゃにしている人間の傲慢さとも通じる思想かも知れませんね。

(シロチョウ科 ツマキチョウ属)

カモ撮りこうちゃん

カモ撮りこうちゃん