ヤブマオに取りついていたのはクロキシタアツバの幼虫だった!

ヤブマオの葉と花

ヤブマオにとりついたクロキシタアツバの幼虫

クロキシタアツバのサナギ

ここ3年程、永和の雑木林に生えているイラクサの仲間のマブマオに秋になるとガの幼虫らしいものが取りついて、葉を蚕食しボロボロにしています。

毎年同じ幼虫なので、そのガの成虫が産卵しているのだと思われます。

最近になってヤブマオとカラムシの違いが分かってきました。

近くにある別の雑木林のカラムシにも大きなガの幼虫が取りついて葉を食べていますが、これはフクラスズメの幼虫です。

頭部分が濃い橙色でかなり異様に目立つので、近寄りがたい感じです。

ヤブマオにとりついているガの幼虫は、黄色い地に黒い斑点があるフクラスズメに比べると、小さい感じです。

でもその幼虫の数が多く、葉はボロボロになり、葉の近辺では食べた幼虫の糞で汚れています。

どんな名前のガの幼虫だろうと思って調べてみたら、クロキシタアツバの幼虫でした。

といってもその成虫はまだ同定できていません。

「そらいろネット」には「分布は日本各地、朝鮮半島・中国。チョウ目ヤガ科。体色は暗紫灰色。時期は4~6月、8~9月。特徴・生態は山地、浅い山地などに普通に生息するヤガの仲間。~中略~ 幼虫はイモムシ形です。体長は約22㎜になり、円筒形で、前後に向かってやや細くなります。第3腹環節の腹脚を欠き、シャクトリムシのように歩きます。体色は淡緑色で、前後両端はやや黄色を帯びます。頭部は数個の黒紋があり、刺毛の根元に突起します。越冬形態はさなぎです。食べ物は、幼虫ではイラクサ科のヤブマオやカラムシの葉を食べます。生活型は、卵→幼虫→さなぎ→成虫の完全変態を行います。」と記されています。

永和の雑木林は2つあるのですが、距離は少ししか離れていないものの、一方の雑木林のヤブマオにはクロキシタアツバの幼虫しかいません。

また他の雑木林のカラムシではフクラスズメの幼虫しかいません。

どちらの幼虫もカラムシもヤブマオも食べると予想されるのに、混在している様子は見られませんでした。

これまでヤブマオを見かけていた経験では、葉をぼろぼろに蚕食されてしまうのですが、クロキシタアツバが蛹になって羽化していなくなると、ヤブマオは葉を出して再生してくるのです。

ヤブマオは多年草とはいえ、その生命力には驚くばかりです。

クロキシタアツバの幼虫などの被害を初めから織り込んで、葉が出る時間経過を組み込んでいるとしか思われないのです。

自然は凄いなぁと思ってしまったものです。

(チョウ目 ヤガ科)

カモ撮りこうちゃん