何年かぶりにヒオウギの花を見かけた!

2024年7月に見かけたヒオウギ

2016年7月に見かけたヒオウギ

これまでヒオウギの花を見かけたのは3回だけです。

私には幻の花といってもいい程希少な花なのです。

最初は天童駅前の呉服屋の庭に咲いていたのを見かけました。

当時はシャガの花の写真を撮るために歩き回っていたのです。

「日本の野草」(林弥栄編 山と溪谷社)のアヤメ科アヤメ属のシャガの写真のすぐ傍に、仲間のヒオウギ属のヒオウギの写真が載っていました。

それがきっかけでいつか見てみたいと思っていたのです。

ヒオウギを見た時は興奮しながら、写真を何枚も撮りました。

蟹江に戻った当時、町内の畑にヒオウギが植えられて花が咲いていたのです。

それを見た時はとても驚きました。

ところが見かけた翌年には、その畑がなくなって民家が建ってしまいました。

その後、ヒオウギは全く見かけませんでした。

2022.1.16づけのHPに「名前と花の姿に惹かれたヒオウギ」を書きました。

平安の昔からあって、今でも生け花の材料にもなっているようです。

その後、何年間もヒオウギを見かけませんでした。

だんだんと廃れていく運命なのかも知れないなーと思っていたのです。

でも数日前に、弥富市平島の庭の中にヒオウギを見かけました。

車に移動中に一瞬見かけたのです。

そこで車を道路脇に停めて、写真と動画を撮りました。

懐かしさと嬉しさがこみ上げてきたのでした。

「Kurashi-no city &Field」には「その昔、公家の持ち物のひとつであった『檜扇:(檜の薄い板を数枚綴じ合わせた扇)』を広げた姿に似ていることから名付けられたとされています。一本の茎は厚みがある数枚の剣状の葉が扁平状に重なり合って扇を広げた様な形状です。~中略~ ヒオウギの開花時期は7月から8月の夏の時期で、花色は赤や黒の班が入りオレンジ、黄色、紫、赤、ピンクで、扇状の葉の頂点に高く伸びて枝分かれをして、夜になると花びらが捻れる様に閉じてしまいます。花後に3㎝程度の袋状の果実が実り、その鞘(さや)が割れて多数の実が出ます。種子は5㎜程の球状で光沢のある黒い色をしています。これが別名『烏羽玉(うばたま)』『野羽玉(ぬばたま)』の由来となったもので、艶のある黒色であることから、和歌では『黒、夜、髪』に掛かる枕詞とされています。万葉集では花ではなくこの種子を詠みこんでいます。(例歌:居明かして君をば待たむぬまたばの我が黒髪に霜は降るとも)~中略~ 平安時代前期の貞観11年(869)に京の都では大変な疫病が大流行して多くの人命が失われたのですが、これは怨霊(おんりょう)の為せる技であろうという事から、怨霊による悪疫退散を念じるために祇園社(現在の八坂神社)に祈願した『祇園御霊会(ぎおんごりょうえ)』が始まりで、以降『祇園祭』となり祭りの花としてヒオウギが飾られます。」と記されています。

今更ながら、黒の枕詞の「ぬばたま」の由来や祇園祭との関連を知るにつけ、ヒオウギの存在の重さを感じてしまったものでした。

(アヤメ科 ヒオウギ属)

カモ撮りこうちゃん