夏の猛暑を避けるトンボたちの工夫 再考
暑さを避けるために逆立ちするショウジョウトンボ
鉄線の日陰側にとまるショウジョウトンボ
暑さを避けるために日陰側にとまるコフキトンボ
暑さを避けるために逆立ちするウチワヤンマ
7月に入って日本列島は梅雨とはいえ、何日も猛暑(35度以上)に見舞われています。
外に出るだけで汗がじっとりと出てきます。
30分くらい歩くと頭がぼーっとしてきて熱射病の前触れ状態になります。
写真撮りの際は、必ず水分補給をしながら活動しています。
この暑さの中で、これまで見かけていた動物の暑さ対策を今年も見ることが出来ました。
ハクセキレイやツバメなどは、口を開けて息をしています。
羽で覆われた体なので、口を開けて体温を下げているようです。
親は頻繁に口を開けていますが、幼鳥の中には余りしないものもいるようです。
口を開けて暑さを避ける方法も、もしかすると学習による部分があるのではないかと思っています。
またショウジョウトンボやウチワヤンマは、尾を上に上げて逆立ちするしゃちほこ状態で暑さを避けようとしています。
それでも直射日光が当たると、それぐらいでは暑さを防げるとは思えません。
すると、ショウジョウトンボは枯れ枝の直射日光が当たる反対側にとまっています。
時には電柱から斜めに張った金属線にたくさんのショウジョウトンボやコフキトンボがとまっていることがあります。
この暑さの中で、金属線もかなり熱くなっていると思われるのに、金属線の日陰側にとまって暑さを避けているのです。
コフキトンボはしゃちほこ状態のように逆立ちすることはありませんが、多く棲息している金魚養殖池跡では、ネットや草の枯れ枝の日陰側にとまっています。
飛島村三福は、愛知県下で最もコフキトンボが見られる場所だと思われますが、たくさんのコフキトンボが直射日光の当たる日陰側にたくさん並んでとまっているのは壮観です。
今年になって、直射日光を避けるために草の茎や金属線の日陰側にとまる理由は何だろうと、もう一度考えてみました。
草の茎やネットの直射日光が当たらない部分にとまるのは、ある意味で合理的だと思われますが、金属線の反対側にとまる場合には、その金属線が熱線になっていて、本当に暑さを防ぐことが可能かと思ってしまったのです。
以前はその様子を見て、ショウジョウトンボやコフキトンボは馬鹿な奴だと思っていたのです。
しかし金属線にとまるショウジョウトンボはその暑さよりは直射日光を避ける理由が別にあるのではないかと思うようになりました。
トンボは変温動物ですが、直射日光の強さによる体温上昇は、とまっている金属線で脚から受ける熱さに較べると問題にならないくらい強い刺激で、トンボの体への影響が大きいのではないかとも考えられるのです。
直射日光による体温上昇は、トンボの各機能を阻害する可能性があるのではないかと予想されます。
そう考えると、金属線の反対側で直射日光をさける行動は、やはり適応的な行動かも知れないなあと思うようになりました。
みなさんはどう思われますか?
カモ撮りこうちゃん