初めてウチワヤンマの交尾態飛翔と産卵を見かけた
ウチワヤンマがとまる
ウチワヤンマの交尾態飛翔
ウチワヤンマの産卵
警護産卵かな?
昔からウチワヤンマは見かけていたものの、ギンヤンマほどではありませんでした。
ギンヤンマはヤンマ科で、ウチワヤンマはサナエトンボ科なのに、ウチワヤンマと呼ばれています。
同じ位の大きさなので、ヤンマと呼ばれても当然かもしれません。
科は違っているので、形態や習性は異なります。
ウチワヤンマ複眼が離れていて、とまるときにはシオカラトンボやハラビロトンボのように水平にとまります。
ギンヤンマは複眼がくっついていて、茎や葉にぶら下がってとまります。
また習性ではギンヤンマのオスは縄張りを四六時中飛翔していてとまりませんが、ウチワヤンマは時々縄張りを飛翔するものの、近くの枯れた茎の先端部などにとまって、飛翔し続けることは余りありません。
蟹江付近では、永和の沼、日光川ウォーターパークの大膳川、飛島村の金魚養殖池跡などでウチワヤンマを見かけます。
でもウチワヤンマはギンヤンマのような交尾態や連結態を見かけたことは1回もなかったのです。
毎年ウチワヤンマを見かけるので、産卵している筈だと思いながらも、見かけていなかったのです。
数日前の午後に飛島村服岡の金魚養殖池跡に、ショウジョウトンボの交尾態と産卵風景を撮りにでかけました。
そこに黒っぽい交尾態のトンボが飛翔していました。
夢中になって写真を撮りました。
でも遠いのでうまく撮れません。
それでも連写したものを後から見ると、はっきりしないながらも、ウチワヤンマも交尾態だったのです。
その交尾態飛翔しながら、そのトンボは池の真ん中で2匹に分かれました。
そしてメスが産卵し始めました。
初めて見る光景です。
その上でオスがホバリングしながら見ています。
警護産卵するのかもしれないなと思いました。
「日本のトンボ」(尾園暁 川島逸郎 二橋亮 文一総合出版)には「交尾が終わりに近づくと、交尾態のまま広く飛び回って産卵場所となる水面の浮遊物を探す。その上でオスは連結を解き、メスは単独でホバリングしながら、腹端で浮遊物を間欠的に打つ。卵は糸でお互いに連なり、産卵中のメスの腹部から垂れ下がっているのが見える。」と記されています。
ギンヤンマのような連結態にはならないことと、産卵は糸を引いているようですが、私の写真からはそうしたものは見当たりませんでした。
昔琵琶湖西岸の高島市に、オオヤマトンボの写真を撮りに出かけたことがありました。
オオヤマトンボが連結する瞬間の写真を撮りました。
その時もギンヤンマのような連なった連結態にはならないような風情で、今回のウチワヤンマと同じだったのです。
ギンヤンマのようなヤンマ科と、サナエトンボ科やヤマトンボ科では交尾態の習性も違うのかも知れません。
でもウチワヤンマの交尾態飛翔と産卵風景を見たことは、幸運だったと嬉しくなってしまいました。
(サナエトンボ科 ウチワヤンマ属)
カモ撮りこうちゃん