タンポポだと思っていた時期があったブタナ

ブタナ

群生して咲くブタナ

咲き終わった後のブタナ

小さい時からタンポポは馴染みのある植物でした。

今から考えるとニホンタンポポだったのではないかと思います。

蟹江に戻ってからシロバナタンポポが、この地方にも咲いているのを知って驚いたものです。

善太川や日光川の土手には2月末になると、東海タンポポ(ヒロハタンポポ)と思われるニホンタンポポが咲き出します。

シロバナタンポポは少し遅れるようですが、それでも総苞がそっくり返っていないから、ニホンタンポポでしょう。

その後セイヨウタンポポが咲き出します。

毎年観察していると、花の咲き出し時期が違っているようなのです。

5月初旬を過ぎると、タンポポに似た花を咲かせる植物が目につくようになります。

花はタンポポのようですが、少し小さめです。

しかし花茎が異常に細長いのです。

その植物がブタナです。

何十年前の青年期にも見かけていた記憶があります。

ずーっと昔から日本にはあったんだと思い込んでいました。

雰囲気からすると帰化植物に相違ありません。

「国立環境研究所 侵入生物データベース」には「和名はブタナ、タンポポモドキ。自然分布はヨーロッパ。多年草。全体の外見はタンポポに似る。葉は全て根生し、両面に黄褐色の硬い毛を密生、分裂するものも羽状に深く裂けるものもある。茎の高さ50㎝以上になり、枝は0~3本、ところどころ黒色の鱗片状に退化した葉をつける。頭花は径3~4㎝、総苞片はほぼ3列で直立、背面にも白色の毛が1列に生える。舌状花のみからなり、花冠に5歯があり冠毛は花筒部の半分以下、花床には1.7㎝になる細い鱗片がある。果実(痩果)は微細な突起を密生し、先は長くのびて冠毛は羽状に分岐。染色体は2n=8。ヒメブタナと雑種をつくる。生息環境は牧草地、畑地、芝地、荒れ地、路傍など。温度選好性は温帯~熱帯。繁殖形態は繁殖期5~9月。頭状花、虫媒花。または根茎により繁殖。生態的特性は、土壌の種類、乾湿、肥沃度、PHに対する適応性も大きい。耐寒性があり平地から高山地まで生える。刈り取りや踏みつけへの耐性もある。国内移入分布は、ほぼ全国。侵入経路は陽意図的移入(穀物飼料に混入)。侵入年代は1933年に札幌、1934年に神戸で確認、1940年代以降分布拡大。在来種、畑作物、牧草との競合。数種の虫、ウイルスの寄生。影響を受ける在来生物は在来草本植物、農産物、牧草。」となっています。

今年5月20日過ぎに天童に出かけた時、市内の住宅の空き地にブタナが群生して咲いていました。

ブタナの侵入の確認から90年経っています。

一見するとタンポポが群生している景色に見えますが、ブタナだったのです。

天童周辺ではニホンタンポポは余り見かけず、セイヨウタンポポばかりです。

一見すると、幼い時に見かけていた風景と同じに見えるのですが、内実は外来帰化植物に置き換わっていることが分かります。

恐るべしブタナですね。

(キク科 エゾコウゾリナ属)

カモ撮りこうちゃん