ベニイトトンボが交尾態になるのも大変のようだ

体を曲げて交尾態にさせようとするオス

何とか交尾態になる

以前見かけたメスをぶら下げたオス

ベニイトトンボのいろいろ

自宅の狭い庭には、7年程前から準絶滅種のベニイトトンボが羽化しています。

町内の他の地域では見かけないので、自宅だけに棲息していると思われます。

その原因は、ホームセンターで買ってきたアナカリスの茎に卵が埋め込まれていたからだと思われます。

今年羽化したベニイトトンボの初見日は6月3日でした。

昨年は6月6日でした。

また終見日は9月半ばでした。

昨年は初見日から、少し経つと1匹も見かけなくなったのですが、今年初見日以降、割と多くのベニイトトンボを見かけます。

6月26日現在で、多いときは9匹前後見かけます。

今年は昨年に較べても羽化数が多いようです。

これから7月~8月の最盛期に同じだけの数が羽化するかは分かりません。

とにかく庭の状態をビオトープのようにして、生えている植物を刈り取らないようにしています。

そんな中、庭にある30個ほどある発泡スチロールやプラスティックのプランター水槽に連結態になったベニイトトンボのオスとメスが産卵しているのを見かけます。

毎年のことで、最近は気が向くとその写真や動画を撮ったりしています。

庭に生えているムラサキシキブの枝に、オスがメスをぶら下げた連結態になったベニイトトンボを見かけました。

これまでもメスをぶら下げているオスを見かけたことが何度かありました。

その時は、連結態なんだなぁと単純に考えていたのです。

今回、メスをぶら下げたオスを見ていると、途中からそのメスを引き上げるように懸命に体を曲げる動作を繰り返しています。

メスはそれに合わせて上下に動きますが、反応しません。

それを何度もやっていました。

どうもメスを惹き上げて、交尾態(丸くなる)になりたいのではないかと思われます。

私はこれまで色々のトンボを見かけてきましたが、連結態になるとすぐに交尾態に移行する場合を多く見てきました。

コフキトンボ、シオカラトンボ、ギンヤンマ、ショウジョウトンボなどは一瞬で交尾態になります。

それは連結態になると、メスの方でも交尾態になることを知っていて、オスとメスの阿吽の呼吸で、交尾態になるのでしょう。

ところがこのベニイトトンボのメスは、そうした行動をとることをしないで単にぶら下がっているだけでした。

しかし、何度もオスが体を曲げているうちに、メスは尻尾を曲げて丸くなろうとするようになりました。

しかし曲げた先がオスの体に接触していますが、副性器には接触していませんでした。

しかし尻尾を色々動かしているうちにオスの副性器に尻尾をくっつけることができました。

メスの尻尾が副性器につくとがっちり固定するようになっているのではないかと思われます。

メスの中には交尾態になるためのオスとメスの行動の連鎖ができないものもいるのだなぁと思ってしまったのです。

(イトトンボ科 キイトトンボ属)

カモ撮りこうちゃん