もう一生見かけないだろうと思っていたキンランに会えた!
2024年5月21日に見かけたキンラン
2013年6月9日に見かけたキンラン
今年(2024年)に久し振りに写真撮りに天童に出かけました。
天童高校の裏手の山元沼から、原崎沼まで歩いていく途中のサクランボ畑で、久し振りにニホンザルの群れを見かけました。
そこを過ぎた雑木林の下に、黄色い花を咲かせている植物を見かけました。
見た瞬間に「こんなところにキンランが生えている!」と思いました。
ほぼ10年振りの再会でした。
もう一生見かけないだろうと思っていたので、とても嬉しかったのです。
写真と動画を撮りました。
ウィキペデイアには「ラン科のキンラン属の多年草で、地生ランの一種。和名は黄色の花をつけることに由来する。山や丘陵の林の中に生える地上性のランで、高さ30~70㎝の茎の先端に4月から6月にかけて直径1㎝程度の明るく鮮やかな黄色の花を総状につける。花は全開せず、半開き状態のままである。花弁は5枚で3裂する唇弁に赤褐色の隆起がある。葉は狭楕円形状で長さ10㎝前後、縦方向にしわが多い。柄は無く茎を抱き、7、8枚が互生する。~中略~ 分布は北海道を除く日本各地、中国、朝鮮半島に分布する。保全状況は、元々日本ではありふれた和ランの一種だったが、1990年代ころから急激に数を減らし、1997年に絶滅危惧Ⅱ類(VU)(環境省レッドリスト)として掲載された。また各地の都府県のレッドデータブックにも指定されている。」と記されています。
「レッドデータプランツ」(矢原徹一他 山と溪谷社)には、「準絶滅危惧(NT)」と「絶滅危惧」の2分類があり、「絶滅危惧」の下位分類に、「絶滅危惧Ⅱ類」と「絶滅危惧Ⅰ類」がある。
「絶滅危惧Ⅰ類」の下位分類に、「絶滅危惧ⅠB類(EN)」と「絶滅危惧ⅠA類(CR)」があり。
ⅠB類よりⅠA類の方が絶滅の程度が大きいようです。
キンランをふくめてラン科の植物は園芸用として育てることは難しいようなのです。
「サカタのタネ 園芸通信」には、「単子葉植物のラン科は世界に1万種以上の種があり、被子植物では最も進化した植物の一つとされます。ラン科の花を特徴付けるものは、雄しべと雌しべが合体したずい柱を持ち、外花被3枚、内花被3枚が左右対称に開くことですが、何より不思議な生態は発芽や生育に菌類と複雑な関係を結ぶことです。樹木は光合成で得られる炭素源(糖)を菌根菌に与え、菌根菌はアミノ酸合成に必要なチッ素などのミネラルを樹木に与えます。キンランはその共生関係に割り込み、両方から炭素源とチッ素源を分けてもらい生活するのです。~中略~ キンランを始め多くのラン科植物は、『菌根菌』と呼ばれる菌から栄養を得て共生しています。そしてキンランの菌根菌は、クヌギやコナラなどの樹木の外生菌根菌と言われているので、樹木・菌根菌・キンランの三者の共生関係が成立して初めてキンランは生きていくことができます。」と記されています。
なかなか複雑な生態の持ち主のようです。それにも吃驚してしまたのです。
(ラン科 キンラン属)
カモ撮りこうちゃん