こんなに長い産卵管を持ったハチ(ウマノオバチ)を見たことある?
ウマノオバチのメス
とても長い産卵管を持つウマノオバチ
5月下旬に一年振りに天童に出かけ、数年間水を抜いて地震対策工事をしていた原崎沼に出かけてみました。
数年振りかで水が入れられて、昔の沼のようになっていましたが、それまであった群生していたハスは見られませんでした。
沼の周りの遊歩道脇にあった「網張の里」の叢はそのままでしたが、遊歩道近くの叢は草が刈られてしまっていました。
この時期にウツボグサの花が咲いているのではないかと期待していたのですが、その気配は全くありませんでした。
あきらめて叢の脇にあるサクラの脇を通り過ぎようとしたら、葉の上にハチがとまっていました。
そのハチを見た瞬間驚いたのです。
そのハチは尻尾(産卵管)がとても長く、ハチの体の8~10倍くらい長いのです。
こんな長い尻尾があって飛んだり活動出来たりできるのでしょうか。
これまで色々の動物を見て、自分の予想を超えた存在で驚いたことはいくつもありました。
その一つはパンダの黒と白の模様です。
実際にこんな模様の生き物がいるとは思っておらず、人工的に作ったデザインではないかと思ったほどでした。
またコガモのオスの生殖羽の顔のデザインも、とてもモダンで驚きました。
自然の造形物とはいえ、こうしたものを作り出した自然に対する畏敬の念すら感じてしまったものです。
なぜこんな長い産卵管を持ったハチがいるのか、とても面白く疑問にもなりました。
調べてみると、ウマノオバチというハチのようです。
ウィキペディアには「コマユバチ科の寄生蜂である。カミキリ類などに寄生する。多くの文献で、シロスジカミキリの幼虫に寄生すると解説されているが、実際にはミヤマカミキリの蛹に寄生しており、シロスジカミキリ幼虫への寄生は起こりにくい可能性が指摘されている。~中略~ 日本、中国、台湾、朝鮮半島、インド、ラオス、タイといったアジア各国に生息する。日本では林相の変化や土地開発等の影響により生息環境が悪化しており、環境省のレッドデータブックで準絶滅危惧種として掲載されているほか、地域版のレッドリスト等にもリストアップされていることがある。~中略~ 体長は約15~25㎜程度で、メスは体長の4~8倍程度の長さの産卵管を持つことで知られている。オスの眼は大きく腎臓形、メスの眼は小さく球形。翅には斑紋がある。」と記されています。
また生態では「メスは、クリなどの木の内部に潜む寄主が作った坑道を通って樹木内部に潜り込み、寄主の近くに長い産卵管の先を残して外に脱出したのち、産卵管を動かして寄主に卵を産み付ける。」と記されています。
木を食い荒らすカミキリにも、天敵であるウマノオバチがいることに吃驚してしまいました。
そして産卵管を長くして、産卵しやすいように共進化させてきた、自然の妙にも感心してしまったのです。
色々と歩き回っていても、人生で初めて見かけたハチでした。
(ハチ目 コマユバチ科 ウマノバチ)
カモ撮りこうちゃん