5月になってもキンクロハジロの群れが藤前干潟に留まっていた!
5月2日に藤前干潟で見かけたキンクロハジロ
11月12日に藤前干潟で見かけたキンクロハジロの群れ
4月は冬鳥が繁殖地に北帰行して、夏鳥がやって来る端境期ともいえる時期です。
夏鳥のツバメ、アマサギ、チュウサギ、オオヨシキリなどの声を聞いたり、姿を見かけたりするようになります。
その反面、これまでいた冬鳥のカモ、タゲリ、タヒバリやアオジなどは見かけなくなります。
冬鳥が繁殖地に北帰行するといっても、全ての鳥が同時にいなくなるということではありません。
少しずつ時期をずらしながら姿を見かけなくなってくるのです。
先日まで田んぼで餌採りしていたユリカモメも見かけなくなりました。
北帰行への旅に出たのだと推測しています。
そのずっと前にはタゲリの群れも見かけなくなりました。
そんな様子をみると、カモ・ロスといても良いような寂しさを感じてしまうのです。
5月に入ってもカモの仲間のうち、コガモやハシビロガモは留まっています。
コガモは例年5月の連休明けまで、日光川、善太川そして藤前干潟辺りで見かけます。
ハシビロガモは数年前に気がついたのですが、飛島村の田植え後の田んぼで5月初旬に見かけました。
かなり遅い時期までいるのだなぁと思ってしまいました。
4月29日と5月2日に藤前干潟にシギがいないかと行ってみたら、キンクロハジロの群れが新川河口や藤前干潟の波間に揺られながら泳いでいました。
キンクロハジロがまだ残っていることに驚いてしまいました。
「日本のカモ 識別図鑑」(氏原巨雄 道昭 誠文堂新光社)のキンクロハジロには「ユーラシアに広く分布。日本では冬鳥として全国に普通に渡来し、湖沼、池、河川の淡水~汽水域を中心に生息。河川では主に流れの緩やかな下流域や河口部、及び堰堤上で見られる。内湾のスズガモ群中に混じることもあるが多くない。翼を開かずに潜水して、軟体動物、甲殻類、昆虫類、水草などを幅広く採餌する。1990年代頃には都市公園で人の与えるパン等に餌付く個体が多かったが、その後2000年代には餌付け規制に伴い大きく減少した。北海道の一部で繁殖するものもおり、特異の例としては2010年に神奈川県横浜市で翼を痛めて越夏したオス・メスの番いによる繁殖が観察された。」と記されています。
また「日本の野鳥」(叶内拓哉 安部直哉他 山と溪谷社)によれば、「3月下旬から10月初旬」までは基本的には日本国内では見られないようなので、5月初旬まで藤前干潟に群れでいるのは、とても珍しいのではないかと思われるのです。
来年もこの時期まで留まっているのか確認しようと考えているところです。
(カモ目 カモ科)
カモ撮りこうちゃん