ウチワヤンマとタイワンウチワヤンマの区別がなかなかできない!
ウチワヤンマ
タイワンウチワヤンマかな?
小さい時からウチワヤンマは憧れのトンボでした。
数がギンヤンマほど多くなく、池の奥の抽水植物の枯れ枝や茎の先にとまっていたからです。
一度だけそのウチワヤンマを捕り、自作の展翅台でとめて残しておきました。
小学校高学年の頃です。
その展翅台のウチワヤンマを母が天袋にとっておいてくれ、何十年も経って展翅台のウチワヤンマを見た時には、少年の日の情景がまざまざと蘇ってきたものです。
蟹江に戻ってから、ウチワヤンマなのに黒っぽい感じでやや小ぶりのウチワヤンマを見かけるようになりました。
尻尾部分にウチワがあるものの、それも小さい感じです。
最初見かけたのは4年ほど前で、永和の沼の傍にある小さな池のヨシ原の茎にとまっていました。
雰囲気はサナエトンボだったのです。
頭が少し小さい感じで、「何とかサナエ」だろうと思って写真を撮りました。
養老山地の多度峡のサナエトンボが蟹江周辺まで流れてきたのではないかと思っていたのです。
実はウチワヤンマもサナエトンボ科なので、複眼がギンヤンマなどのヤンマ科のようにくっついておらず離れています。
とまるときには、シオカラトンボ、ショウジョウトンボやコフキトンボのように平行になってとまります。
ギンヤンマやオニヤンマなどのヤンマ科のヤンマは葉や茎にぶら下がってとまるのです。
数日前に「何とかサナエ」だと思っていたトンボの写真を見てみると、タイワンウチワヤンマではないかと思われました。
数年前からタイワンウチワヤンマが蟹江周辺でも生息しているようです。
「日本のトンボ」(尾園暁 川島逸郎 二橋亮 文一総合出版)には、ウチワヤンマの分布は青森県までの沿岸部から平野部までになっています。天童の山元沼や原崎沼で見かけていたのはウチワヤンマだと思われます。タイワンウチワヤンマの分布は、九州から東海地方の愛知県と静岡県の伊豆辺りまでの沿岸部になっています。タイワンウチワヤンマはウチワヤンマとは違って後発のヤンマだと思われます。この本の発行年が2012年なので、今では関東辺りまで進出している可能性があります。
永和の沼や飛島村の三福の金魚養殖放棄池では、ウチワヤンマと思しきものやタイワンウチワと思しきものの両方を見かけます。
最初そのどちらかと判別できたと思うのですが、写真を眺めているうちに混乱してしまいます。
以前天童で撮った写真はウチワヤンマだと思われるので、それを基準に判定していますが、それでもなかなか判定できないでいます。
タイワンウチワヤンマはウスバキトンボと同じように飛翔しながら、海を渡って日本にやってきたのでしょうか。
ロマンを感じてしまいました。
(サナエトンボ科 ウチワヤンマ属)
カモ撮りこうちゃん