コフキトンボがこんなに発生しているところはここだけだろうな?

沢山とまるコフキトンボ

交尾態飛翔から警護産卵

コフキトンボのオビ型

コフキトンボはシオカラトンボよりは小さく、その外見はよく似ています。

ときどき沼や池周辺で見かけることがありますが、それも数匹だけなのが一般的です。

飛島村にはたくさんの金魚養殖池があり、金魚の成長に合わせて池を入れ替えるらしく、金魚が入っていないままの池もあります。

また養殖池が何年も放置されたままの池もあり、そうした中にはヒシなどが繁茂して金魚養殖ができない池もあります。

そんな放棄池が三福周辺には特にたくさんあるのですが、そこが却ってトンボにとっては産卵・羽化する絶好の場所になっていて、多数のトンボを見かけることができるのです。

シオカラトンボ、ギンヤンマ、ショウジョウトンボ、コフキトンボ、ウチワヤンマなどです。

トンボが生育する場所は思った以上に偶然といえるような条件の中で、何とか子孫を繋ぎながら生息できているに過ぎないと痛感しています。

他でも書きましたが、愛西市の福原輪中にあった長良川の人工湿地は埋め立てにあって、チョウトンボとショウジョウトンボは絶滅してしまいました。

愛知県内で最大のチョウトンボの生息地だと思っていた場所が、長良川の浚渫土砂の埋め立てで絶滅してしまったのです。

希少で貴重なトンボが簡単にいなくなってしまいました。

翌年出かけましたが、周辺では一匹のチョウトンボも見かけませんでした。

ショウジョウトンボは飛島村の養殖池付近の用水路周辺でまだ繁殖している場所があり、何とか毎年見かけています。

用水路の改修工事があれば、すぐに絶滅する可能性があります。

ところが逆に三福の養殖放棄池でたくさん見られるようになってきたトンボがコフキトンボです。

年によって多い時と少ない時はありますが、年々見かける数が多くなっている感じです。

この養殖放棄池で産卵・羽化したものと考えられます。

コフキトンボは6月初旬から7月中旬頃まで発生し、その後はシオカラトンボの方が優勢になって入れ替わっていきます。

発生する数は半端ではありません。

オスとメスが一緒に周りのフェンスや池にわたした綱や枯れ枝にとまっています。

なかなか壮観な感じさえします。

こんなに多くのコフキトンボがいるなら、たくさんのオスとメスの交尾態や産卵風景を見かけるのかと思いきや、それほど多くないのが不思議です。

まだ成熟していないコフキトンボが多いからでしょうか。

また東北で見かけた帯型(おびがた)の黄色いコフキトンボが発生していないかと観察しているのですが、今のところは見かけていません。

このコフキトンボが毎年同じように産卵・羽化できる環境が保持され続ければ良いなぁと思っているところです。

(トンボ科 Deielia属 コフキトンボ属)

カモ撮りこうちゃん

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