チョウゲンボウの狩りで考えたこと
チョウゲンボウが獲物を捕って電線で啄む
制動をかけたチョウゲンボウ その1
制動をかけたチョウゲンボウ その2
蟹江周辺で見かけるタカの仲間にはオオタカ、ノスリ、チュウヒ、ミサゴ、トビ、ハヤブサ、チョウゲンボウなどが見られます。
最近まで全てタカの仲間だと思い込んでいましたが、「日本の野鳥」(叶内拓哉 安部直哉他 山と渓谷社)では、タカ目とハヤブサ目に分かれています。
分かれている理由はよく分かりません。
日本経済新聞(2013.3.19付け)の記事では「日本鳥学会はハヤブサを『インコ、スズメの仲間』と変更した。特別天然記念物のトキも、コウノトリ目からペリカン目に変わった。DNAの研究が進み、大きさや性格が異なる鳥たちの意外な間柄が分かってきた。」と記されています。
遺伝的にタカ目とハヤブサ目とは違いがあるようで、そのハヤブサ目の中にハヤブサやチョウゲンボウが入っています。
これまで私自身も大型のタカと小型のタカという違いとしか考えていなかったのです。
因みにアメリカの戦闘機にはラプター(猛禽類)、ファルコン(ハヤブサ)、オスプレイ(ミサゴ)、イーグル(タカ)などの名称がつけられています。
猛禽類の獰猛さを象徴としてネーミングしているのでしょうね。
私が身近に感じるのはチョウゲンボウです。
秋を過ぎると田んぼの電柱や電線にとまって昆虫などの獲物を探しています。
電柱や電線は獲物を探すのに最適です。
それらがないときは空中でホバリングしてから、獲物に向かって飛びかかっていきます。
普段の姿を見ると、可愛らしい目をしていて大人しそうに見えるのですが、ネズミなどを捕って掴んで飛んでいるときには、猛禽類だなあと思うような厳しい表情をしているように見えてしまいます。
やはり生き死に関わるからでしょうか。
いつも不思議に思うのは、タカの仲間のクマタカ、オオタカやノスリなどは獲物に飛びかかるときには羽を広げて獲物の上に被さります。
獲物の視界を遮るような行動です。
すると獲物は動けなくなるようです。
ところがチョウゲンボウは羽を閉じたまま獲物を掴んで飛び立ちます。
獲物をとる様子が違うようなのです。
獲物の大きさに関係があるのかどうか今のところは不明です。
でも遺伝的に異なる仲間で、つまり進化の系統樹が異なることから、獲物を狩る行動系列も異なっている可能性があります。
チョウゲンボウが美しいなと思う場面は、飛んで行って尾羽を広げて制動をかけるときです。
尾羽の端の黒い線がくっきりと見えます。
獲物を掴んで電線にとまるときも同様に制動をかけるので尾羽を広げます。
その様子を皆さんにも見て貰いたいものです。
(ハヤブサ目 ハヤブサ科)
カモ撮りこうちゃん
“チョウゲンボウの狩りで考えたこと” に対して1件のコメントがあります。
コメントは受け付けていません。