トウモロコシの受粉の仕組みを連想してしまうジュズダマ

ジュズダマの花と実

小さい頃から粒になる植物を見かけていました。

学校に通う途中の関西線の線路脇に生えていたのを今でも鮮明に想い出します。

それがジュズダマです。

ジュズダマというからには数珠にしていたと思われますが、最近の数珠に使われる材料には石(宝石など)の仲間が多いようです。

植物材料ではカヤ(榧)、クルミ、コクタン、ボダイジュ、サクラ、シタン、ウメ、センダン、タガヤサン、ツゲなどがあるようです。

ジュズダマは入っていません。

豊かでなかった昔の農村部ではジュズダマを使っていたのかも知れません。

ジュズダマは東北ではほとんど見かけませんでした。

一度見かけたような記憶がありますが定かでありません。

蟹江に戻ってみると、色々な場所で見かけるのです。

南方系の植物で寒さには強くないのだろうと思っています。

定点観測地の永和の雑木林の水田脇には数か所ジュズダマが生えています。

毎年同じ場所に生えてくるので多年草でしょう。

7月~9月頃には玉状の実ができます。

葉といえばトウモロコシの葉を小さくした感じで、実になる玉は最初からできています。

そこからササの花のようなものを出します。

玉の先端部から細い白い髭のようなものも出します。

そんな様子がトウモロコシを連想させてしまうのです。

トウモロコシは茎の先端部に雄花がつきます。

実になる先端部にはたくさんの茶色っぽい髭がたくさん出ます。

そこが雌花の先端部で、他の株からの花粉をそこにつけてそれぞれのトウモロコシの粒が受粉するのです。

ジュズダマはトウモロコシの1粒分がジュズダマの実になっている感じです。

実の先端部から白い髭が出て、他のジュズダマの花粉でそ受粉するのではないかと思われます。

多分違っているかも知れませんが、私にはなぜか同じに見えてしまうのです。

「庭木図鑑 植木ペディア」には、「東南アジアを原産とするイネ科の多年草。古い時代に渡来したものが野生化し、日本全国に分布している。基本的に日当たりの良い湿地を好む。荒れ地に真っ先に生じる草本の一つであり繁殖力は高く、道路沿いや川原の土手に普通に見られる。雌雄同株で、初秋に葉の脇から花を咲かせる。大雑把にいうと黄色いのが雄花(の葯)で白い糸状のものが雌花(の花柱)。構造が複雑すぎて、見る者は呆気にとられる。果実は灰色で直径9ミリほどで、先端が少し窪む。かつてはこれを用いて作った籠や手提げを『数珠子細工』と呼んだ。草丈は1mほどに、葉の長さは50㎝ほどになる。見た目はハト麦に似るが、ハト麦は一年草であることや実が柔らかい点で異なる。」と記されています。

ハト麦はジュズダマを改良したものなんですね。

昔の人たちはジュズダマの生態を知って生活にうまく取り込んできたことが窺われます。

感心せざるを得ません。

(イネ科 ジュズダマ属)

カモ撮りこうちゃん