東北でもキタキチョウを見かけた

山形県高瀬で見かけたタンポポを吸蜜するキタキチョウ

高瀬で見かけた飛翔するキタキチョウ

蟹江で見かけたコセンダングサを吸蜜するキタキチョウ

今回の東北南部の旅で、奥羽山脈の西の裾野にある高瀬の山道を歩きました。

西側には放置された畑があり、東側が雑木や叢になっているところです。

歩いていくとマツヨイグサやアメリカセンダングサが少し咲いていました。

どの花もそろそろ終わりの風情です。

晩秋なので周りは枯葉になったり落ち葉になっていました。

その山道にはところどころにタンポポが咲いています。

このタンポポはセイヨウタンポポです。

ニホンタンポポは春の季節にしか咲きませんが、セイヨウタンポポは一年中見かけることができます。

歩いていくとセイヨウタンポポの花に3匹の黄色いチョウがとまって吸蜜していました。

一瞬モンキチョウかと思ったのですが、どうもキタキチョウのようです。

こんな東北にも南方系のキタキチョウがいることに驚きました。

蟹江周辺では、秋になるとコセンダングサの花にキタキチョウが集まります。

また海津市森下では、10月半ばにモンシロチョウ、モンキチョウ、キタテハ、ヒメアカタテハなどがこのコセンダングサに吸蜜に来ていました。

コセンダングサは昔から日本にあったようですが、晩秋から冬にかけて咲いている花としては希少な花で、晩秋まで生き続けているチョウたちの個体維持に貢献していると思われます。

ところが今回歩いた冬が近い高瀬の山道では、アメリカセンダングサの花も終わりかけでほとんど咲いていません。

そんな中でセイヨウタンポポの花は、重要な蜜源になっていると思われます。

同じ花に3匹のキタキチョウが集まるというのは、他に蜜源になる花が少ないということでしょうね。

キタキチョウは冬を成虫のまま越すチョウの仲間です。

キタテハなども同様です。

ですが冬でも好天で風のない日には、枯葉の裏で冬を越している途中でも出てきて、咲いている花の吸蜜などをする様子が見られます。

これらは蟹江周辺で観察したものです。

昨日(12月3日)山形の知人から、山形では着雪があったと連絡を受けました。

本格的な冬の到来がそこまで来ているのです。

私が見かけたキタキチョウは、寒い冬を越すためにエネルギーをため込むためでしょう。

蟹江のように雪がない地方に比べて、高瀬あたりは雪が深いと思われるので、晩秋から春までほぼ仮死状態のままで枯葉の裏で春を待つしかないのではないでしょうか。

そこが蟹江で見られるキタキチョウとは違うかも知れません。

11月初旬に山道でセイヨウタンポポの花の吸蜜をしている3匹のキタキチョウを見て、そんなことを考えてしまいました。

何とか冬を越せれば良いなぁと思ったものです。

(シロチョウ科 キチョウ属)

カモ撮りこうちゃん