10月初旬に飛来するコガモについて考えてみた!
10月2日に見かけたコガモ
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5月6日 まだ帰らないの? コガモ
エサを探すコガモ
10月2日に愛西市福原輪中の長良川の湿地で枯れた植物の間からカモの群れが飛び立ちました。
カルガモの群れかと思ったのですが、みなメスのような雰囲気です。
飛翔中のカモの翼鏡に緑色があったのでコガモだと分かりました。
もうこの時期に越冬のために飛来してきているのです。
前に撮った写真を調べてみたら、やはりこの時期に飛来していました。
何年もコガモを観察していると、蟹江周辺ではコガモが一番早く飛来してきます。
10月の初めに木曽川とか長良川で群れているのを見かけます。
でもその時期には善田川、宝川、日光川やウォーターパークでは見かけません。
木曽川や長良川沿いに飛んできて、そこから冬の間を過ごすためにだんだんと分散していくのではないかと思われます。
コガモはカモの中で一番遅くまでいます。
5月連休明け、更に遅い場合には5月半ばまで見かけます。
越冬のために日本に来て7か月~8か月間滞在しているのです。
「日本のカモ識別図鑑」(氏原巨雄 道昭 誠文堂新光社)のコガモには「秋、最も早くやって来て、春、最も遅くまで残り、9月から4月末頃まで見られる。北海道、本州の中部地方以北の高原でごく少数繁殖する。河川、池、湖沼などに生息し、大きな川や池では50羽から数百羽の群れで見られる。他の水面採餌ガモより小さな川に入る傾向が強く、そのような場所では10羽前後の小さな群れで越冬する。」と記されています。
また分布図ではカムチャッカ半島やシベリア大陸で夏を過ごすようです。
5月になってカムチャッカ半島やシベリア大陸に帰るには、木曽川や長良川に沿って北上し、日本海側から北海道に出て島伝いにカムチャッカ半島やシベリアに帰ると思われます。
どう考えても1か月はかかるでしょう。
目的地の故郷に着くのは6月半ば過ぎだと思われます。
そこで営巣し産卵・孵化・育雛してヒナが独り立ちできるには、2か月以上かかると思われます。
するとその時には8月半ばから9月に近くなっているはずです。
10月初旬に日本に越冬のために飛来できるためには、ヒナが親と行動ができるようになるとすぐ故郷を飛び立ってくるのではないかと思われます。
私は鳥たちの故郷とは営巣・産卵・孵化・育雛している場所と考えていますが、滞在期間の長さから言えば、越冬のために日本にいる期間の方が断然長いのです。
そう考えると日本が故郷だと言いたくなってしまいます。
こんな危険を冒してまでカムチャッカ半島やシベリア大陸まで帰り、また越冬のために日本に戻って来るコガモの行動は、生得的な仕組みとはいえ、随分と無駄とリスクの多い生き方だと思ってしまいます。
もっと合理的な行動を模索する知恵を待つように進化できたらなぁと思ってしまいました。
(カモ目 カモ科)
カモ撮りこうちゃん
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