ひっつき虫だったんだ、チヂミグサは!
南濃町の群生するチヂミグサ
自宅の庭のチヂミグサ
チカラシバ
前から気になっていた単子葉植物があります。
葉が縮んだような皺があって笹のような雰囲気の植物です。
雑草だらけの自宅の狭い庭にも生えています。
それがチヂミグサです。
数本ではなく群生して生えていることが多く、秋口には花穂が茎の先端部につきます。
EVERGREENには「林内などでみられる高さ10~30㎝の多年草。稈(茎)は細く、基部は長く地を這って枝分かれします。葉は互生する単葉で、長さ3~7㎝、幅1~1.5㎝の広披針形となり、波打ちます。葉の両面に毛がはえます。葉の基部は鞘となって茎を抱き、鞘の縁に毛が生えます。花序は長さ6~12㎝で直立し、枝は6~10個出て伸長せずに短く、密に小穂をつけます。小穂は長さ0.3cmほどで2花からなり、まばらに毛がはえます。第一苞頴(ほうえい)には長い芒(のぎ)があります。果実が熟すと、苞頴の芒に粘液が出て、動物などにくっついて散布されます。」と記されています。
先日南濃町早瀬の杉林の薄暗い場所で、このチヂミグサが群生しているのを見かけて写真と動画を撮りました。
ちょうど花穂を出しているところでした。
壮観だなあと思ったものです。
家に帰ってから庭のチヂミグサの写真も撮りました。
秋の中頃を過ぎると叢(くさむら)に分け入るのは大変です。
というのはひっつき虫と呼ばれる植物の実がズボンや袖についてくるからです。
こちらではアレチヌスビトハギ、コセンダングサ、イノコヅチなどの実がくっついてきます。
昔遊んだオナモミは余り見かけなくなりました。
アレチヌスビトハギがつくと、道路に座り込んで手で取り除くには30分くらいかかるときがあります。
コセンダングサは刺さるとチクチク痛みます。
靴下に刺さるととても歩き難くなるのがいつものことです。
なるべく近寄らないように歩くのですが、道路に出てくるとかなりくっついているのがいつもの事です。
そうしたズボンに単子葉植物の実がたくさんついていることがあります。
ずーっとチカラシバの実だとばかり思っていました。
チカラシバは見かけないのにたくさんついているので変だなあと思っていたのです。
今考えるとチヂミグサの実だったようです。
植物の中には動物の毛に種を付着させて、子孫を増やす戦略を採っているものがあります。
チヂミグサもそうした仲間なのでしょう。
チヂミグサは日陰が生育場所です。
そこに実が行きつくにはたくさんの個の無駄を前提とした戦略を採っているようです。
自然は個よりも種を守ることを優先していると、いろいろ観測していて感じるようになりました。
自然は命の在り方について本当に厳しいなぁと感じてしまいました。
(イネ科 チヂミグサ属)
カモ撮りこうちゃん