カマキリの攻撃体勢と線虫のはなし
ハチを捉えたカマキリ
攻撃体勢
普段見かけるカマキリ
数年前ある家の前の植物の鉢植えの葉にカマキリがとまっていました。
カマキリは尻尾をそり返して、前足を体に引き付けて攻撃体勢をとっていました。
葉の先に黒いハチらしいものがとまっていてそれを狙っていたのです。
カマキリの攻撃体勢と黒いハチの距離は少し離れていたのですが、その緊張感は傍で見ていて良く分かりました。
その瞬間カマキリはその獲物を補足しました。
普段よく見かけるカマキリはのんびりしていて、獲物を狩る緊迫した場面を見たのは初めてで、肉食昆虫の凄さを見せつけられました。
カマキリを見ると肉食恐竜の特徴を思い出します。
前足が後ろ足より短く、恐竜のティラノサウルスのようなのです。
なのでカマキリは肉食動物の典型的な体つきのように思えます。
カマキリといえば、知人の女性から「カマキリを捕まえて腹をつぶすと、黒い針金のような線虫(ハリガネムシ)が出てくる。どのカマキリにも線虫がいると思っていたが、いないカマキリがいるのはなぜですか。」と尋ねられたことがあります。
私は「線虫は寄生虫なので、全てのカマキリの腹にいるとは限らないと思う。」と応えました。
調べると蚊に似た吸血しないユスリカが関係しているらしいことが分かりました。
このユスリカはトンボ、カマキリ、カマドウマ等のエサになっています。
幼虫は赤虫といって、子供の頃には魚釣りの餌にしていました。
この時期には水中で生活しています。
その間に水中で生活する線虫(ハリガネムシ)の小さな幼虫を体内に取り込み、その幼虫はユスリカが成虫になっても体内で生き延びて、結果的にはカマキリやカマドウマの体内で成虫(ハリガネムシ)になって存在するようになるというのです。
カマキリやカマドウマでは線虫が見られるのに、トンボで線虫が出てきたという話は聞いたことがありません。
トンボの仲間の体内では線虫になれない条件があるのではないかと予想されます。
調べてみたい事柄です。
線虫の幼虫がなぜ水中に入り込めるかが次の問題になりますね。
主な宿主であるカマドウマに取りついた線虫は、宿主の脳に特殊なたんぱく質を注入して、水に飛び込むようにコントロールしているというのです。
川魚のイワナ、ヤマメやニジマスなどはエネルギーの6割くらいを、水面に飛び込むカマドウマを食べているということです。
カマキリが水中に飛び込む話はあまり聞きませんから、線虫にとってカマドウマが子孫を繋いでいく狙う本命なのかも知れません。
カマキリは本命ではない可能性があります。
このようなプロセスを知ったものの、本当かなーという気持ちがまだ捨てきれずにいます。
(カマキリ目 カマキリ科の昆虫の総称)
カモ撮りこうちゃん