外来動物のヌートリアをどう考えたら良いのだろう
永和の沼で数年前からヌートリアを見かけます。
南側の関西線の土手下はヨシ原で、その地下に巣を造っていると思われます。
沼の北には田んぼが広がっています。
ヌートリアは夜行性ですが、昼間でも沼をゆったり泳いでいるのを見かけます。
春になると植えたイネの苗をある一角だけ根こそぎ食べてしまいます。
苗がなくなった場所が数か所見られます。
イネの茎の葉は柔らかく餌としては最適なのでしょう。
面白いことに毎年同じ場所が被害にあっています。
そんな習性があるようです。
7月になると沼に大きいネズミ捕りの仕掛けが置かれるようになります。
仕掛けにはアライグマやヌートリアを捕るためだと書かれていて、水辺にニンジンをぶら下げた仕掛けが2つ置かれています。
今年は捕れなかったと思われます。
以前農家の人と話した時には、ヌートリアは学習能力が高いので、危険を感じるとなかなかかからないと話していました。
数年前に2つの仕掛けのそれぞれにヌートリアがかかっていました。
かかったヌートリアは津島市の施設に運ばれて、窒素ガスで安楽死させていると聞きました。
駆除する努力とは反対に、弥富市海屋の乗馬クラブの職員が、土手下の用水路にいたヌートリアにニンジンを与えていました。
人の手からニンジンを貰って食べていました。
可愛いから与えているのでしょう。
また三ツ又池公園の土手にもヌートリアがいて、そこで幼体が何頭か餌探しをしていました。
見るからに可愛いのです。
どの動物の幼体もみんな可愛く感じます。
丸くてぬいぐるみのようなものを見ると、可愛いと感じるように仕組まれているようです。
その可愛さで親たちに面倒見てもらう戦略なのでしょう。
ある日その公園のヌートリアがいる場所前に掲示がありました。
「可愛いと思って餌をやらないでください。あなたたちが餌をやることで生態系が崩れて、他の動物たちに大きな被害が出ることに繋がります。そのことを考えてみてください。」という内容の掲示でした。
これはヌートリアだけの問題ではありません。
動物園にいる動物のほとんどは外国から連れて来られて一生を過ごします。
それが逃げ出したら害獣として駆除されます。
人間にとって都合が良いときは愛玩動物で、檻から逃げ出したら害獣に変わってしまうのです。
2020.8.1づけのblogで、ヌートリアが入ってきた経過を書きました。
ヌートリアには何の罪もありません。
害獣として駆除する前に、私たち人間が人間の在り方そのものを問い直す必要があるのではないでしょうか。
これらの動物は人間の消費財そのものだと感じてなりませんでした。
(ネズミ目 ヌートリア科 ヌートリア属)
カモ撮りこうちゃん