2匹のゴマダラチョウが樹液に集まっていた

数日間続いた雨がやんで、夏の暑い陽射しが戻ってきました。

久し振りに永和の雑木林に出かけました。

雑木林からはアブラゼミとクマゼミの鳴き声が聞こえてきました。

セミの姿がないかと木の幹を見ながら歩いていくと、幹にチョウがとまっていました。

最初は1匹だと思ったのですが、よく見ると2匹のチョウでした。

裏翅の模様からイチモンジチョウの仲間ではないかと思いました。

吸って途中でときどき羽を広げるので、その写真を連写しました。

よく撮れませんでしたが、おおよその模様は分かりました。

家に帰って調べてみるとゴマダラチョウでした。

その場所にはカナブンも写っていました。

全く気がつかなかったのです。

カナブンはコナラなどブナ科の樹液を吸うと思っていました。

雑木林の林縁はアカメガシワが多く、樹液が出ている木もアカメガシワでした。

ブナ科以外の樹液も吸うようですね。

ゴマダラチョウは数年前の7月半ばに日光川の土手下のムクノキの樹冠を盛んに飛んでいました。

その時はチョウの名前も分からず、しかも飛翔するのが速いので写真に撮れず、悔しい思いをしていたチョウだったのです。

何とか撮った写真を見ると眼が赤っぽいのです。

印象に残るチョウでした。

そこに行けばゴマダラチョウに会えるに違いないと思い、何度も足を運んだのですが出会いませんでした。

雑木林でそのチョウが樹液を吸っている場面に偶然出くわしたのです。

「日本のチョウ」(日本チョウ類保全協会編 誠文堂新光社)には「複眼は橙色で、口吻は鮮やかな黄色となり、よく目立つ。オスとメスで色彩・斑紋に差異はほとんどないが、メスの翅形は幅広く、白色の度合いが強い傾向がある。食草はエノキ、エゾヒノキなど(ニレ科)。生育環境は平地~低山地の落葉広葉樹林。雑木林で多く見られるほか、都市公園や社寺林などの小規模の樹林地でも見られる。行動は日中、樹冠部を中心に滑空しながら飛翔し、樹液によく集まるほか、腐果などにも集まる。地面で吸水も行う。生息状況・保全は北海道では減少傾向が著しく、非常に珍しくなっているが、その他の地域では、都市近郊の樹林地帯でも普通に見られる。近年、外来アカボシゴマダラの侵入によって、競合による悪影響が懸念されている。」と記されています。

以前見かけたムクノキは「日本の樹木」(林弥栄編 山と渓谷社)には「ニレ科ムクノキ属」となっていますが、ウィキペディアには「アサ科ムクノキ属」となっています。

前著の方が古く、その後アサ科に変更になったと思われます。

ゴマダラチョウの食草は、ムクノキが幼虫の食草になっているようです。

科は人間による変更で、ゴマダラチョウにとっては関係ない話でしょうね。

ゴマダラチョウを探しに行くときは、ムクノキが生えているところに行けば、見かける可能性があるようです。

(タテハチョウ科 アカボシゴマダラ属)

カモ撮りこうちゃん