ケリの家族愛らしい行動を見かけた
蟹江周辺にはケリがたくさん生息しています。
最初見た時はアヒルかな、それにしては足が長いしと迷ったものです。
飛翔時の羽の白と黒のシンプルなデザインの美しさと、繁殖期のキキーッと鳴くけたたましさは、その存在感を否応なく認識させられてしまいます。
ケリは人家近くの田んぼでよく見かけるので、春先にヒナの姿を見かけることもできます。
親はとても面倒見がよく、必死でヒナを育てます。
ヒナは田んぼの中を歩き回りますが、親はその近くで外敵が近づかないように警戒を怠りません。
どの鳥もヒナを見守る行動はすると思いますが、ケリほどヒナを守ろうとする行動が強い鳥は珍しいのではないかと思われます。
子育てが終わると、夏には群れになって行動するようになります。
飛島村では数十羽のケリが一緒に行動している様子を頻繁に見かけます。
先日飛島村服岡の用水路沿いの農道で、砂利道に8羽のケリが降りているのを見かけました。
時々はこうした砂利道にケリが降りているのを見かけるのですが、いつもと様子が違います。
少し離れた用水路に架かる橋の脇に車を停めて、車内から動画を撮り始めました。
すると道路上にケリの一羽が座り込んでいるのです。
じっとしています。
他の7羽のケリはその様子を見ている風情です。
何か戸惑っているようで移動できずにいる感じでした。
その動画を撮ってから、三福の放置された金魚養殖池にトンボの写真を撮りに移動しました。
ギンヤンマ、ショウジョウトンボやコフキトンボの写真を撮ってから、また引き返してどうなっているか見てみました。
大体1時間は経っているので、もういないだろうと思ったのです。
でも1時間前と同じ光景がありました。
動画を撮りだすと、周りのケリは羽を広げたり、立ちっぱなしのものがいます。
用水路の反対側の土手に座り込んでいるものもいます。
どのケリも座り込んでいるケリの様子を見ています。
すると座り込んでいたケリが立ち上がって、他のケリに近づこうとしますが、左足を痛めているようで足を引きずっています。
骨折しているのではないかと思われます。
左足が痛いのか指を地面につけないようにするのでうまく歩けません。
そのうちにまた座り込んでしまいました。
それを見ていた近くのケリの1羽はその場に座り込みました。
怪我をしたケリを見放すことなく、家族(?)がずーっと見守り続けています。
その後どうなったか分かりませんが、家族を心配する様子は人間にも劣らないように感じてしまいました。
ケリはかなり知能が高いと思われますが、こうした場面を見ると、ケリにも家族愛といえるものがあるかも知れないなぁと思ってしまいました。
(チドリ目 チドリ科)
カモ撮りこうちゃん