キリギリスが鳴いている場面をやっと撮れた
昔は叢からキリギリスを捕ってきて、籠の中に入れて鳴き声を聞いたものです。
その頃はキュウリやスイカの皮の部分を入れておくと、夕方になると鳴いていました。
小学生の頃はタモ網でどんどん追いかけて捕っていたのです。
今はキリギリスを捕ることはなく、叢にいる状態のものを写真に撮ったり動画に撮ったりしています。
余り驚かさないように注意しながら撮るようになりました。
小さい頃からトンボ、セミや魚捕りをしてきて、百万匹以上の命を殺してきたのではないかと思います。
それが無残なこととは当時は考えずに、捕ることの面白さしか感じていませんでした。
そうした経験があったからこそ、命の大切さを感じられるようになったのではないかと思います。
今年は6月に梅雨が明けて、7月初旬なのに猛烈な暑さです。
例年なら7月末から8月初旬にかけて叢でキリギリスの鳴き声を聴くようになるのですが、今年は7月初旬に鳴き始めています。
こんなことは経験がありません。
叢でキリギリスが鳴いている写真や動画を撮りたいと思って、鳴いている近くまで忍び寄っていくと、すぐに鳴き声がやみます。
少し離れた叢では他のキリギリスが鳴いています。
鳴き声を競っているようです。
鳴き声はメスに対するアピール合戦をしているからでしょう。
すぐ傍で鳴いていたのに、どこにいるのか皆目分からないことがほとんどです。
でもいつか撮れるチャンスがきっと来ると思うようになりました。
オオタカでもコアジサシでもヒクイナでも、良い写真が撮れることが偶然に何回もあったからです。
先日ハリヨ公園にでかけて、公園から外れた民家の畑や竹林があるところを歩きました。
その細い道を歩いていると、何か所かでキリギリスの鳴き声が聞こえてきます。
そのとき叢の木の枝などが置いてある場所にキリギリスがとまっていました。
じっとしています。
そこで急いで写真と動画を撮りました。
キリギリスが鳴くというのは、翅を擦りあわせて音を出しているのです。
セミでも同じ仕組みだと思われます。
セミには共鳴板である太鼓がオスにはあるので、余計に大きな音が出てきます。
バイオリンなどの楽器と同じ仕組みですね。
もっと翅を大きく擦り合わせて鳴くのかと思っていましたが、それほどではありませんでした。
近くには同じような鳴き声が聞こえます。
繁殖期のメスへのアピール合戦を聴くと、キリギリスは思ったよりたくさん生息しているのだなぁと思ってしまいました。
(バッタ目 キリギリス科 キリギリス属)
カモ撮りこうちゃん