アサマイチモンジのオスが別のオスに迫る?
この季節にはイチモンジチョウの仲間アサマイチモンジを見かけます。
初めて見たのは愛西市福原輪中の長良川脇の竹林の林縁でした。
先日見かけたのは、海津市南濃町早瀬の土手脇のアカメガシワの生えている林縁でした。
この地方ではアサマイチモンジが普通に見られるようです。
「日本のチョウ」(日本チョウ類保全協会編 誠文堂新光社)ではやや数が少ないチョウになっています。
アサマイチモンジは林縁をヒラヒラ飛んでいます。
ときどきとまりますが翅を広げたままとまります。
他のチョウは翅を閉じてとまり、ときどき羽を広げることがある程度ですが、アサマイチモンジはその逆なのです。
1匹のアサマイチモンジがアカメガシワの葉にとまっているところに、もう1匹が飛んできて、同じ葉にとまって翅を開閉したり、そばを飛んだりしてアピールしているようです。
長時間そうしているので、オスがメスに迫っているのだと思いました。
するとメスだと思われる方が葉の裏側に移動してしまいました。
交尾拒否しているようです。
迫っている方はそれでも少し粘っていましたが、その後あきらめて飛んで行ってしまいました。
それを見てメスが交尾するほど成熟していないからだろうと思ったのです。
家に帰って「日本のチョウ」(日本チョウ類保全協会編 誠文堂新光社)で調べると交尾を拒否したと思ったメスの裏翅はオスだったのです。
迫ったアサマイチモンジは裏翅が見えなかったのでオスかメスかはっきりしません。
メスではないかと思って動画のタイトルは「メスが迫る?」とつけてしまいました。
ところが前翅の先の細り具合からオスかも知れないと思うようになりました。
YouTubeに掲載した動画を取り下げて、タイトルを「アサマイチモンジ オスがオスに迫る?」に変更しました。
自然界ではどうしてオスがメスを区別できるか不思議です。
ギンヤンマでも体色がオスのような腹がブルーのメスがいます。
それが連結産卵しています。
きっと他にいくつか区別する特性があるのでしょうね。
夏にツクツクボウシを観察していたら、オスがオスをメスだと勘違いして迫っている場面を見かけました。
自然界でもオスをメスと勘違いすることがあることを知りホッとしたと同時に笑ってしまいました。
アサマイチモンジの例ではオスがオスをメスだと勘違いして迫ったのではないかと思われます。
二分法のようにオスとメスが明確に分かれているのではなく、アナログのようにだんだんとオスからメスというように分布しているのかも知れません。
勘違いは自然界でもあることを知って、なぜかほっとしてしまいました。
(チョウ目 タテハチョウ科 オオイチモンジ属)
カモ撮りこうちゃん