あの悪臭には閉口してしまうドクダミだけど

ドクダミはこの季節になると見かける植物です。

白いハナビラ(?)が印象的ですが、それに負けず劣らず、その悪臭も印象的で近寄りたくない感じさえします。

自宅の狭い庭にもドクダミがたくさん生えて、今が花の盛りです。

抜いても抜いても生えてきて、再生力は半端でない感じです。

春の野草をテンプラにして食べようと、いろいろな野草を採って食べたことがあります。

その中にドクダミがありました。

本にあの悪臭はテンプラにすると消えると書いてあったのです。

テンプラにしたのは他にタンポポの葉、花、ヨモギ、モクレンの花、ツクシ、スギナ、ハコベ、セリ、ハハコグサなどです。

モクレンの花以外の多くのものは美味しいと感じたのですが、ドクダミだけはテンプラにしても臭いが鼻について食べられませんでした。

縄文人はエゴマ(ジュウネン)の油でテンプラにしていた可能性があります。

私たちが普通使っているナタネ油は江戸時代に灯油用としても栽培されました。

そのお蔭で夜間も活動できるようになったといわれています。

それまでの長い間エゴマやゴマが使われていたようです。

エゴマが福井県鳥浜縄文遺跡から出土しているので、縄文人も油を使って料理していたと考えられます。

「日本の野草」(林弥栄編 山と渓谷社)には「平地の日陰にごく普通に生える多年草。特有の悪臭がある。地下茎は長くはって群生する。和名は毒痛みであろうという。民間薬としてよく知られ、10種の薬効があるから十薬との説もある。茎は高さ15~30㌢。葉は心形でやわらかい。茎の先端に淡黄色で、雄しべと雌しべだけの花を短い穂状につける。花びらのように見えるのは総苞片である。花期6~7月 生育地 道ばた、野原 分布 本、四、九、沖。」と記されています。

あの白いハナビラに見えるのは総苞片だったようです。

「四季の山野草」(畠山陽一 三興出版)には「漢方では珍しく『十薬』の名があるほどいろいろな病に効き目がある。いわば万病向きの薬草で広く山里中心に珍重されていたものが、近年のドクダミ茶ブームで全国的なものになった。山菜としてのイメージは定着しそうもない。生の葉は特有の悪臭があるが、乾燥すると消えてしまう。食べ方は春、若い茎葉を摘み、ゆでて十分に水にさらしてから調理する。においを抑えるために香辛料でやや濃いめの味つけをする。薬効効果は、利尿、高血圧、動脈硬化予防、湿疹、靴ずれ、水虫、腫物。」と記されています。

フェイスブックの「山野草、雑木、雑談を楽しむコミ」には「ドクダミを干してお茶、化粧水、化膿部分につける、チンキにして利用」などの情報交換がされています。

実際にどのくらいの効能があるのか知りたいものです。

(ドクダミ科 ドクダミ属)

カモ撮りこうちゃん