ケリの親はヒナの行動停止の解除音を出しているのかも?!
春になってケリの親子の様子を観察できました。
4月下旬から色々な場所を歩き回わって結果的には例年と同じ場所でヒナを見かけました。
親は孵化したヒナが縄張り内を歩き回るようになると、番いのメス(?)がヒナ近くにいて、オス(?)は離れたところにいます。
縄張りに入ってきたカラス、ハト、サギなどがいるとオスが飛び立って激しく追い払います。
ハトやサギは危害を加えないはずですが、侵入者というだけで追いかけます。
侵入するもの=危害を加えるものという汎化が起こっているようです。
侵入するもの全てを排除すればとにかくヒナは安全です。
相手が危険かどうか斟酌しなくて良いので合理的な反応といえますね。
オスだけで追い払えないときはメスも飛び立ってきます。
人が縄張りに近づくと大抵は2羽で威嚇してきます。
その際は空中で「キーィ、キーィ」と激しく威嚇音を立てながら傍まで飛んできて反転することを繰り返します。
そんな縄張り内のヒナは親が見守る中で餌探しをします。
ヒナは大抵3~4羽で縄張り内の田んぼの中を歩き回って餌を探します。
田んぼの中をそれぞれのヒナが歩き回るので、メスの親は田んぼの中央近くで見張っています。
オスは田んぼの端か土手にいます。
オスとメスの親の役割分担があるようです。
侵入者や人が来ると警戒音を発します。
「キーィ、キーィ」という威嚇音ではなく、低く速い音を連続的に発します。
するとヒナは近くの叢に逃げ込んだり、その場で立ち止まって動かなくなります。
また近くに親がいるときは、親の羽の中に入り込みます。
親の羽はヒナたちには安全な避難場所です。
また暖かいので寒さも防げる便利な場所です。
連続的な警戒音をケリの親が発すると、ヒナはいつ避難するかいつ行動停止するかを、どう決めているのかとても不思議です。
蟹江新田では、叢のヒナは警戒音で叢に座り込んで動かなくなりました。
永和の田んぼのヒナは脚をあげたままじっとして動かなくなりました。
連続的な警戒音の中に動くなとか、かがめというサインが含まれているのかも知れません。
2例とも少し経ったらヒナはまた動き始めたのです。
ヒナは自分の判断で動くようになるのか、停止状態を解除する鳴き声サインを親が出しているのか疑問になりました。
永和のヒナが動き出す直前に、親のケリの鳴き声が3度ほど変わったように聞こえました。
停止の解除音かも知れないなあと思いました。
鳥などの行動は人間のような自由意思による判断の結果というより、動物行動学的には刺激と反応の連鎖による行動系列だと考えると、ケリのヒナの行動も親からの動くなの停止の解除音があったと考えた方が合理的でないかと、今のところは考えています。
ほんとかなー。
(チドリ目 チドリ科)
カモ撮りこうちゃん