アメリカフウロもミコシグサらしい
蟹江周辺の叢や縁で今年もたくさんのアメリカフウロが咲き出しました。
フウロソウ科のフウロソウ属で、ゲンノショウコとは同じ仲間です。
この辺りではゲンノショウコを見かけないのに、アメリカフウロだけがたくさん咲いています。
アメリカ原産の帰化植物です。
どの帰化植物も一時はかなりの勢いで増えて、その後生態的な位置が安定してくると、その数は一定になるようです。
セイタカアワダチソウも一時はススキの叢を占拠して日本の風景が変わるほどでしたが、最近はそれほどの勢いは見られなくなりました。
そうなるまでの時間の長さは何十年単位だと思われますが。
アメリカフウロの花の大きさはゲンノショウコに比べると小さい感じがします。
また花の色はゲンノショウコは白(東日本)や赤(西日本)なのに、アメリカフウロは薄いピンク色です。
アメリカフウロは枝分かれするところもゲンノショウコと違っています。
「野田市の草花図鑑」には「名前の通り北アメリカ原産の外来種で、国内では1932年に京都で発見されて以来全国に広がり、今では農地や幹線道路沿いを中心にどこでも見られる身近な野草となっています。草丈は数十センチメートルほどですが、茎はよく枝分かれしながら横にも張り出していき、しばしば大株になります。花は直径5ミリメートル程度で淡いピンク色。花びらは5枚です。春から秋にかけてダラダラと開花する傾向が強く、市街地では真冬でも花を咲かせていることがあります。在来種のゲンノショウコと同じ仲間で、花のない時期の雰囲気はよく似ていますが、アメリカフウロの葉はより細かく切れ込む傾向があります。また、アメリカフウロの葉はしばしば赤く縁取りが入り、ゲンノショウコのような黒い斑点がありません。」と記されています。
葉の形や色、茎が枝分かれしているところがゲンノショウコと違っています。
ゲンノショウコはミコシグサと言われるように、乾燥してくると実がはじけて種を飛ばす仕組みを持っています。
アメリカフウロは黒い実がはじけていた記憶がありません。
ゲンノショウコとは違って枯れた実が地面に落ち種が広がるのだろうと考えていたのです。
上述の「野田市の草花図鑑」には、「アメリカフウロの果実は、ツンととがったツノのようなかたちです。タネは、このツノの根元の部分にある膨らみの中に、1個ずつ入っています。成熟して真っ黒に色づくと、角の部分が下からまくれ上がり、ハンマー投げのような要領で種を遠くまで飛ばそうとします。同じ仲間のゲンノショウコも同様の方法でタネを飛ばし、その姿が神輿のように見えるためミコシグサの異名を持っています。」と記されています。
アメリカフウロもミコシグサらしいことに驚きました。
今年は黒い実がミコシグサになるかどうか、じっくり確認したいと楽しみにしています。
(フウロソウ科 フウロソウ属)
カモ撮りこうちゃん