タシギは畑でも餌をとっていた
蟹江周辺ではタシギを1年中見かけますが、春に見かける数に比べると冬は少ない感じです。
1月28日の厳寒期に、弥富市の三ツ又池公園で水がほとんどなくなったハス池でタシギの小群が水が残っている場所で嘴を突っ込んで餌探しをしていました。
飛島村では一年中見かけるものの、その場所は金魚養殖池周辺が多く、その数も数羽です。
「日本の野鳥」(叶内拓哉 安部直哉他 山と渓谷社)には「旅鳥。本州中部と、主にそれより以南で越冬する。多くは小群で行動し、30羽ほどの群れになる。」と記されています。
春の数の多さに比べて冬に見かける数が少ないことから、あるタシギは残り、他のタシギは南下している可能性があります。
春に愛西市立田のハス田のタシギの群れは春を過ぎると見られなくなります。
翌年になると同じハス田に戻ってきます。
嘴が長いので存在感があるタシギですが思ったより小さく、キジバトの体長33㎝に対してタシギは26㎝と随分小さいのです。
鳥の大きさをカラス、ハト、ヒヨドリやスズメなどを基準に凡その大きさを判定しますが、ヒヨドリが体長28㎝なので、ヒヨドリより小さいのですね。
心理的にはタシギの方がヒヨドリより大きい感じなのですが。
数日前に飛島村で養殖池でなく畑でタシギを見かけました。
コチドリに比べるととても警戒心が強く臆病な鳥です。
土起こしした畑で数羽のタシギが降りて、そこら辺を歩き回っています。
ときどき嘴を土に突っ込んで餌らしいものを食べています。
そんな場面を見かけたのは初めてで驚きました。
いつも水辺にいて、用水路や養殖池の中を歩きながら嘴を突っ込んでいる場面しか見ていなかったからです。
畑では土の中に深く嘴を突っ込まずに、嘴の先を器用に使って土の中を軽く突いているだけでした。
水中では地面まで嘴を深く突っ込んでも、水があるので嘴に入る泥をすぐ取り去ることができますが、畑に深く突っ込むと泥が嘴に入って除けないだろうなと考えていたのです。
実際のタシギの畑での餌のとり方は、深く嘴を突っ込むのではなく、先だけ軽く刺し込んで餌を採っていました。
ここでも場面に応じた行動をしていたのです。
鳥や昆虫などは生得的にプログラムされ紋切り型の行動しかできないと思い込んでいます。
しかしよく観察していると、周りの状況に合わせて適応的な行動をしていることに驚かされます。
幅のある適応力も生得的なプログラムによると考えて良いのでしょうか。
学習能力が大きいといわれる人間でも、その生得的な紋切り型の行動に規定されて行動しているのかも知れないなあと考えてしまいました。
(チドリ科 シギ属)
カモ撮りこうちゃん