スズメがサクラの花の蜜を得る方法で分かったこと
2021.3.19付けのblogでヒヨドリ、メジロ、スズメがサクラの花をどう処理して、蜜を得るのか書きました。
ヒヨドリとメジロは花の上から嘴を刺し込んで蜜を吸いますが、スズメは花の花柄を嘴で千切って蜜を味わっているようでした。
サクラの花の蜜を得る方法は鳥の種類によって違いがあるようなのです。
その理由は何かと考えると、嘴の形ではないかと思っています。
ヒヨドリとメジロの嘴は細長くて、蜜を吸いやすい形なのに、スズメの嘴はカワラヒワや文鳥のような三角形の形をしています。
それが花の上から刺し込んで蜜を吸えない理由ではないかと思っています。
春爛漫のサクラが満開の時に、スズメは甘い蜜がある花から蜜を得る方法として、花柄を千切ってその花の根元にある蜜を嘴で齧って取り出しているようなのです。
このスズメの行動について、今年は色々な行動が観察できました。
団地に植えてあるサクラには日本三大桜の根尾谷淡墨桜(ウスズミザクラ)のひこばえから育てたエドヒガンがあります。
ツボミはピンク、花は白で、咲き終わりになると薄黒くなるというエドヒガンです。
この花はソメイヨシノより小ぶりです。
メジロやヒヨドリが蜜を吸っている写真を撮っていたら、スズメがやってきて同様に花に顔を突っ込んで蜜を吸っていたのです。
ところが7~10日ほど遅れて咲き出したソメイヨシノでは、花の上から蜜を吸う行動ではなく、花柄の辺りを啄んでいるスズメと、花柄を千切って嘴で啄んでポイと捨てるスズメがいました。
ぽいと捨てられた花柄つきのサクラが道端にたくさん落ちています。
このようにソメイヨシノでは、スズメの嘴は蜜まで届かないようなのです。
スズメがサクラの花を千切って齧って蜜を得るのはソメイヨシノだけで、エドヒガンでは花の上から吸蜜していました。
このように花の大きさに応じて蜜を得る方法を変えていました。
この花柄を啄んでいるスズメ、千切って蜜を得ているスズメと個体によって違いがありますが、ある群れではほとんどのスズメが千切る同じ行動をしていました。
文化による学習行動といって良さそうなものです。
スズメがサクラの花の蜜を吸いに来る際、その嘴の形とそのサクラの花の大きさなどの条件に合わせながら、適応的な行動をしていることが分かります。
このスズメの柔軟な適応力に感嘆してしまいました。
(スズメ目 ヒヨドリ科)(スズメ目 メジロ科)(スズメ目 スズメ科)
カモ撮りこうちゃん
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