3月初旬に見かけた畦道の野草の花

2月の寒さが通り過ぎて、三寒四温の気候変化を辿りながらも春の息吹を感じるこの季節に、農道や畦道を歩くと春の野草の花を見かけます。

多くのものは秋から冬に見かけている越年草の仲間です。

畔や農道の南側で陽当たりが良く、北風を避けられる場所では冬の寒さの中で数は少ないものの咲き出しています。

永和の雑木林付近に行ってみました。

秋口から春先まで農道に水道管の埋設工事が行われていて通行止めになっていたのです。

農道もトラックが入るために拡張したので端は土がむき出しになっています。

そんな農道の端でも春の野草の花が咲いていました。

オオイヌノフグリ、ホトケノザ、タネツケバナ、オランダミミナグサなどが同じ場所に咲いていました。

「日本の野草」(林弥栄編 山と渓谷社)で概略を示すと、オオイヌノフグリはゴマノハグサ科の越年草で、ヨーロッパ原産で明治初期に渡来しました。

今では日本の野原や畔でふつうに見られる野草になっています。

ホトケノザはシソ科の越年草で、東アジア、ヨーロッパ、北アフリカに広く分布しています。

タネツケバナはアブラナ科の越年草で、水田、水辺の湿地に生えています。

オランダミミナグサはナデシコ科の越年草で、ヨーロッパ原産の帰化植物です。

今回見かけた野草の花は全て越年草で、秋から冬を越して春先に咲き出す植物だったのです。

私の中で冬は全ての植物の葉が枯れて、春先に芽を出して育つという考えがあり、越年草という概念はなかったのです。

ところが名取名産のセリ田では真冬に葉が緑だったのを電車から見かけて驚いた経験があります。

ヒガンバナも花が終わると、緑の葉が出て冬を越します。

叢や土手で緑の株を見るとすぐヒガンバナだと気がつくぐらいです。

私の偏見だったのですね。

しかも越年草の目立たない野草にも帰化植物がたくさんあるようなのです。

日本に入ってきた時期はそれぞれですが、日本の田園風景を構成する一部である植物は、時代と共に変わってきていることを感じてしまいました。

(オオイヌノフグリ ゴマノハグサ科) (ホトケノザ シソ科)

(タネツケバナ アブラナ科)(オランダミミナグサ ナデシコ科)

カモ撮りこうちゃん