昔は見たことがなかったヒレタゴボウ
春から秋の終わりまでの間、蟹江周辺の田んぼの畔や農道を歩いていると道路端に黄色い4枚の花弁の花を咲かせる植物を見かけます。
子どもの頃には見かけなかった植物です。
どんな名前だろうと古い図鑑で調べてみましたが載っていませんでした。
最近買った「ミニ山野草図鑑」(廣田伸七編 全国農村教育協会)にはこの植物が載っていました。
ヒレタゴボウと書かれていました。
ヒレタゴボウという名前は、何だがヘタレゴボウみたいで風情がないなと勝手に考えていました。
ヒレタゴボウは熱帯アメリカ産の帰化植物で、アメリカミズキンバイとも呼ばれていて、この名前の方が花の風情とぴったり合っていると思います。
ゴボウと名がついているので、きっとゴボウの仲間で根も同じに違いないと思って、畦に咲いているヒレタゴボウの茎を掴んで引っこ抜いてみたら、ゴボウのような根ではありませんでした。
図鑑にはヒレタゴボウはアカバナ科に属していると書かれていました。
ヒレタゴボウの名前の由来を調べてみたら、畦などに5弁の花を咲かせる同じアカバナ科のタゴボウ(チョウジタデ 但しタデ科ではない)に似ていること、そして葉が茎から柄を持たないでヒレのように流れていることからヒレ‐タゴボウという名前がついたそうです。
専門家から見れば納得できる名前なのでしょうが、素人目には納得できずにヘタレゴボウと言ってしまいそうになります。
タゴボウも根はきっとゴボウのようではないと思われますが、今のところその写真はまだ撮れていません。
日本に入ってきた経過を調べてみたら、第二次世界大戦後に入ってきたようです。
アメリカミズキンバイともいわれることから、アメリカとの交流が盛んになった戦後に入ってきたと考えると合点がいきます。
ヒレタゴボウの花が終わるとたくさんの実がつき、中に小さい種がいっぱい入っています。
実は全体に直方体の形をしていて、その面の境目には稜(4つの細い線)があり、実の天辺に4枚のガク(ヘタ)があります。
私は柿、ナスやトマトのようにヘタは果実の下(子房上位)だと思い込んでいたので、ヒレタゴボウの実の上にガク(ヘタ)があることに驚きました。
但し子房上位、下位の区別はまだよく分かっていませんが。
ヒレタゴボウの実の中の細かい種の数を見ると、田んぼの畦がヒレタゴボウだらけになる理由も分かったような気がしました。
外来植物のセイタカアワダチソウが大繁殖後、だんだんと日本の生態系の中に落ち着いてきたように、ヒレタゴボウも今後そうなるのかなあと思っているところです。
(アカバナ科 チョウジタデ属)
カモ撮りこうちゃん
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