ちょっと危険な感じがしたエゴノキ

エゴノキを知ったのは東北に住むようになってからです。

知人宅の庭にエゴノキがあり、可憐な下向きの白い花を咲かせていました。

知人からエゴノキの実を石鹸代わりにしてきた歴史があると聞かされました。

いわきの友人宅には園芸種のピンクの花を咲かせるエゴノキが植えられていましたが、馴染めませんでした。

天童周辺では雑木林にエゴノキが咲く季節になるとウスバシロチョウ、ジャコウアゲハ、クマバチなどが吸蜜にきていました。

エゴノキの実は毒があり食べられないとも言われました。

身の回りの植物などに食べると中毒症状を起こすものがたくさんあります。

キョウチクトウ、ヒガンバナ、ツツジ、スズラン、クサノオウ、スイセン、アセビ、イチイ、ポインセチア、アイリス、チョウセンアサガオなど私たちがいつも見かけている植物です。

エゴノキの毒を川に流して魚を捕る漁法もあるようです。

「毒草を食べてみた」(植松黎 文芸春秋)には、宮沢賢治の童話「毒もみのすきな署長さん」の中に、サンショウの皮の粉末にモミジの木灰を混ぜて川に流して魚を捕る毒のことが出てきます。

他にエゴノキも昔から使われてきたと述べ、実にサポニンという成分が含まれ魚を一時的にマヒさせると述べられています。

ウィキペディアでは「エゴノキとはエゴノキ科の落葉小高木である。北海道、九州、沖縄まで日本全国の雑木林に多く見られる。和名は、果実を口に入れると喉や舌を刺激してえぐい(えごい)ことに由来する。~中略~ 果実は長さ2㎝ほどの楕円形で、大きい種子を1個含む。熟すと果皮は不規則に破れて種子を露出する。果皮に有毒なエゴサポニンを多く含む。ピーク時には果実にも同量のサポニンを蓄えるが、11月を過ぎると急激に減少する。エゴサポニンは胃や喉の粘膜に炎症を起こし、溶血作用もある。~中略~ 昔は若い果実を石鹸と同じように洗浄剤として洗濯に用いた。またサポニンは魚毒性があるので地方によっては魚の捕獲に使ったといわれるが、同様の毒流し漁に用いられたと言われるサンショウの樹皮との比較実験からエゴノキのサポニンの魚毒性の強さは漁に使えるほどのものではないのではないかと疑問視する見解もある。」と記されています。

私が小学生の頃こうした漁は見ていませんが、バッテリーを背中に背負って、両方の電極棒を使って魚を捕っている大人がいました。

羨ましい思いで見ていたものです。

エゴノキが洗剤として機能するのは、界面活性の機能があるからだと思われます。

昔の人たちはこうした植物の特性を経験的に知っていたのですね。

それが分かる前にはたくさんの死者が出ていた筈ですけど。

本当かなー。

(ツツジ目 エゴノキ科 エゴノキ属) 落葉小高木

カモ撮りこうちゃん