カラスの知能の高さには驚く その2

何度も飛び上がって、クルミを割ろうとするカラス

集団行動から学ぶカラス

昔仙台の河北新報に、広瀬川の大橋から青葉城の大手門にいたる道路で、カラスがクルミの殻を道路に落として、車に割らせて(砕かせて)、その中身を食べているという記事が載っていました。

クルミの殻を割る(砕く)のに、車を使う手段の認識があることを示しています。

クルミを置く、車が潰す、それを食べるという一連の事象を事前に予想できる知能があることに驚きました。

秋になって天童の職場でも、駐車場でカラスがクルミを咥えて飛びあがり、何度も落としている光景を見かけました。

あまり高くないのでクルミは砕けません。

それでも何回も繰り返していました。

それを見ていて業を煮やした私が、出て行って殻を割ってやろうとしましたが、クルミを咥えて近くに避難してしまいクルミを割ることができませんでした。

私の方が愚かだったなあと思ったものです。

クルミの殻の硬さから考えて、あの高さではクルミは割れない(砕けない)だろうと思ったのです。

その後駐車場を歩いていたら、真ん中から割れて二つに分かれたクルミの殻が落ちていました。

それを見て、あの時のカラスの行動を理解できました。

クルミの殻は衝撃を与えると真ん中で半分に割れるらしいのです。

私は粉々に殻を割って中身を食べるものだと思い込んでいたのですが、カラスは衝撃を与えれば半分に割れることを知っていて、飛び上がって落としていたらしいのです。

私が駐車場で見かけた半分になった殻は、カラスがクルミを割ったに違いありません。

クルミの殻の特性をカラスは知っていたのですね。

驚きました。

なぜカラスはこのような知能があるのかとても不思議です。

スキナーのオペラント学習の実験に、ハトに何色かの色の光を数秒間の間隔で連続的に見せて、色の連続に正しく反応すると、エサが貰える実験があったように思います。

何回も繰り返すと、事前にハトは色の連続を学習できるようになります。

カラスほどではありませんが、結果的に思考していると見える行動をハトも行うことができるようです。

カラスは環境の多様な変化に対応できる能力があるのは、カラスそのものの能力の他に集団で生活していることと関係があると思われます。

ニホンザルのイモ洗いや、チンパンジーが石で殻を割ったり、枝を使ってアリやシロアリ釣りをする能力も、単独でなく仲間の行動から学んでいく文化の伝播と関係があると思われます。

カラスは集団での生活を通して色々なことを学び、思考する能力も高まっていったのではないかと今のところ考えています。

カラスがクルミの殻を割る方法も、地方によって違っている可能性があります。

調べてみると面白いかもしれませんね。

恐るべしカラスといったところでしょうか。

(スズメ目 カラス科)

カモ撮りこうちゃん