キカラスウリとカラスウリ
秋になると蟹江周辺の雑木林や叢を歩いていると、橙色のカラスウリを見かけるようになります。
橙色のカラスウリには秋を感じさせる風情があります。
でも東根市の水晶山で見かけていたスズメウリは今のところ見かけていません。
先日愛西市になる日光川ウォーターパークの大膳川の対岸を歩いていたら、木に黄色いウリがいくつもぶら下がっていました。
カラスウリより大きいキカラスウリです。
蟹江に戻って5年過ぎますが、キカラスウリを見たのは初めてでした。
「日本の野草」(林弥栄編 山と渓谷社)のキカラスウリには「多年草のつる草で、巻きひげは先が2~5本に分かれる。葉は毛がほとんどなく光沢がある。雌雄異株で、雌花は1個、雄花は穂状に数個つき、萼筒は3~3.5㌢でカラスウリより短い。果実は黄色で10㌢ほどになる。種子はカキの種のようである。花期8~9月 生育地山野 分布日本全土。」となっていました。
またカラスウリには「林のふちなどにつるをからませ、秋に5~7㌢の赤く熟した実を吊り下げる。種子は1㌢ほどで、玉ずさ(結び文)と呼び、カマキリの頭にも似ている。夏の夜、10㌢ほどでレース飾りのついた美しい花をひっそりとつける。雌雄異株。花期8~9月 生育地山野 分布本、四、九。」となっています。
因みに広辞苑では「玉ずさ」③には、「(形が艶書の結び文に似ているからいう)カラスウリの核」となっています。
カラスウリの種の形からだと思われます。
書くのを中断してキカラスウリとカラスウリを採集しに行きました。
12月中旬を過ぎているので、カラスウリの実は橙色が薄まっており、葉は全くありませんでした。
またキカラスウリは葉がいくらか残っていましたが、枯れて縮まっていました。
そこで2つのカラスウリを比較してみました。
①大きさや形 断然キカラスウリの方がカラスウリより大きいです。また形はキカラスウリは丸い感じですが、カラスウリはやや楕円の感じです。
②種の大きさと形 キカラスウリの種の方がカラスウリより大きく、キカラスウリの種の形はカキの種の雰囲気です。それに比べてカラスウリの種は、確かにカマキリの頭にそっくりです。
③巻きひげ キカラスウリの巻きひげは先が2本に分かれていました。この時期なので、巻きひげが脱落している可能性はあります。
このようにキカラスウリとカラスウリがあるとは知っていましたが、生態や形態の違いがあるようです。
それがどんなものなのか、これから探索していきたいと思っています。
(ウリ科 カラスウリ属)
カモ撮りこうちゃん