最初は蛾のように見えてしまったウスバシロチョウ

ウスバシロチョウのいろいろ

絶滅危惧種Ⅱ類のミヤマシロチョウ

5月半ば過ぎに天童の果樹園で、これまで見たことのない翅が白いものの黒い筋が入っているチョウを見かけました。

モンシロチョウでも薄い黒い筋が入っているものを見かけますが、こんなに鮮明に入っているチョウは見たことはありませんでした。

チョウの翅は薄い硫酸紙のような半透明で、胴体の黄橙色は毒々しい感じがする上に、胴体とその周りに毛が生えているのです。

蛾のようにも見えました。

でも飛び方はチョウそのものでした。

近くに別の個体もいて叢(くさむら)のあちこちを飛び交っていました。

5月末に東根市の沼沢地区に写真を撮りに出かけました。

そこは奥羽山脈の麓の部落です。

車を停めて林道を歩いて行くとフタリシズカ、オドリコソウが咲いていました。

その写真を撮りながら歩いていくとハルジオンの花に先日見かけたチョウがとまって蜜を吸っていました。

交尾中だと思われるチョウもいました。

同じチョウが何匹か頻繁に花から花へ移動しながら飛んでいき、戻って来るを繰り返していました。

オスがメスを探しているのでしょう。

どの種でも子孫を繋いでいくことは大変な作業だと実感してしまいました。

見かけたチョウを調べてみたら、ウスバシロチョウでした。

岐阜大学の昆虫生態学研究室の資料ではウスバアゲハとも言われ、アゲハチョウの仲間だと記されています。

「岐阜県下では、東濃地方を除く広い地域に生息しています。本種は年に一回、レンゲやツツジが咲く頃に成虫が発生します。~中略~ この蝶は、幼虫の餌となるムラサキケマンやジロボウエンゴサク(ともにケシ科)の生える草原や路傍に生息し、岐阜県では四月下旬から六月上旬に成虫が羽化します。成虫の発生時期は標高などで大きくずれますが、発生時期の二~三週間程度の間には、至るところで成虫の乱舞が見られます。交尾を済ませた雌は、食草付近の枯れ草などに卵を産み付けます。産卵された卵はそのまま夏・秋を過ごし、年明けの一月下旬~三月上旬頃に孵化します。厳寒期に孵化した幼虫は、食草の芽をかじりながらゆっくりと生長し、老熟した幼虫は地表や石に下などで蛹化し、次いで羽化します。~中略~また幼虫が石の上で日向ぼっこをすること、蛹が蛾のように繭を張るなど、蝶としては珍しい習性を数多く持っています。」と記されています。

天童周辺では幼虫の食草としてムラサキケマン、ミヤマキケマン、ミチノクエンゴサク、ヤマエンゴサクなどのケシ科の花が沢山咲いています。

ウスバシロチョウがいることも納得できたのです。

同じ場所にウスバシロチョウとは似ていているものの違うチョウも見かけました。

調べるとミヤマシロチョウだと思われます。

絶滅危惧種Ⅱ類に指定されている珍しいチョウでした。

東北の奥羽山脈の麓付近には、こうした希少なチョウなどがまだ生息しているんだなあと思ったものです。

(アゲハチョウ科 ウスバシロチョウ属)

カモ撮りこうちゃん