水鳥の異種間の距離のとりかたはどんなものかな

先日も書いたようにカワウ、カルガモ、マガモは同じ種内ではそれぞれが個体距離をとることが見られました。

その距離のとりかたは、心理的な安定と関わるものだと推測されます。

これは人間のパーソナルスペースの場合からのアナロジーにすぎませんが、多分カワウやマガモにも人間に似た感情があるのではないかと思われます。

アホウドリはオスとメスで好き嫌いがあり、ペアになったアホウドリとは終生同じカップルで産卵・育雛(いくすう)するといわれています。

好き嫌いや愛情という感情が予想される行動から、水鳥たちにも人間と同じような感情に類似したものがあるのではないかと思われます。

日光川の河口には、転覆した船の船底が水面上に出ている場所、サーフィンボード(水上ボード?)が放置されたままの場所があります。

そこはカワウ、カルガモ、マガモやオオバンなどの休憩場所になっています。

休憩している水鳥たちを観察していると、カワウ、カルガモやマガモたちは同じ仲間ではそれぞれの個体距離をとっています。

カワウとカモの間の距離でも同じなのか疑問を持ちました。

偶然これらの場所でカワウとマガモがいるのを見かけました。

観察するとカワウとマガモの間の距離は、マガモ間の距離に比べて大きいのです。

マガモはマガモとカワウの違いを区別し、距離間隔を変えているようなのです。

人間の場合でも人間以外の動物が近くにいたら、距離を大きくとるでしょう。

同じことが起こっているように思えるのです。

野生動物にとって、同じ種以外の動物が危険か安全かの区別は生死に直結します。

例えばタカの仲間のうち、ミサゴやトビが飛んでいても平気なのに、オオタカ、チョウゲンボウやハヤブサが近くに来ると、大騒ぎして逃げ去ります。

ニコ・ティンバーゲンの「動物の行動」(タイムライフ)では、頭上を通り過ぎるものに屈む行動(生得的行動)から、学習によって恐れなくなるものとそうでないものを区別するようになると記されています。

そうすると似ている姿かたちの同じタカの仲間でも、ミサゴ(魚を捕る)やトビ(昆虫や死肉など捕る)は危険でないことを知り、オオタカなどは危険だということを学習によって知るようになっていくのです。

その結果、彼らの感覚や知覚は適応的になりとても鋭いものなっていると思われます。

そんな感覚の鋭さから当然異種の認識はあると考えられ、未知の種に対する不安から、距離を同種内よりは大きくする傾向があるのではないかと考えられます。

本当かなー。

(カワウ カツオドリ目 ウ科)(マガモ カモ目 カモ科)

カモ撮りこうちゃん