植えていないのに庭でムラサキシキブの実が生った
ムラサキシキブは天童の若松観音に行ったとき、本堂の裏手の山道で見たのが最初です。
園芸種のムラサキシキブの華やかさとは違って、パラパラとした赤紫の実をつけているのが印象的でした。
東根市の白水川ダムから右手に入るムクロ沢林道の入り口付近でも見かけました。
この林道は入山禁止の看板が出ていて、入山した場合の危険は保証しないと書かれています。
それでも春になると山菜採り、秋にはキノコ採りでたくさんの人が入ります。
天童のアパートの駐車場脇にもムラサキシキブが実をつけていました。
これは園芸種で華やかな感じのコムラサキシキブだと思われます。
私自身はどちらかといえば、野生種のムラサキシキブの楚々とした風情を感じさせる方が好きですが、今の時代の人たちは豪華で華やかな方が好きかも知れませんね。
蟹江の自宅の庭は手入れしないので雑草だらけです。
メダカを飼育しているプラスチック水槽もただ水を足しているだけです。
その理由は無精でだらしないことが第一ですが、庭に生息している準絶滅種のベニイトトンボの卵やヤゴが死滅するのを避けたいからです。
来年の夏にベニイトトンボになるのを楽しみにしているのです。
そんな庭に3本のムラサキシキブが生えてきました。
庭に2本と玄関脇の狭いすき間に1本生えてきたのです。
種を撒いた記憶は一切ありません。
小鳥がムラサキシキブの実を食べて、その糞を落として生えてきたと思われます。
民家の庭や畑の脇でムラサキシキブを見かけることがあります。
これまでムラサキシキブは東北特有の植物だと思い込んでいましたが、この付近でも見られることが分かりました。
赤紫色の実は鳥たちが啄むのに適当な大きさです。
「野鳥と木の実ハンドブック」(叶内拓哉 文一総合出版)では「主に山地の林内や林縁に生育する。庭木として植栽されているが、一般的にムラサキシキブと呼んでいるのは、実が密に多くつくコムラサキシキブである場合が多い。どちらも11月頃に熟し、ムラサキシキブはメジロやジョウビタキなどがよく採食するが、コムラサキシキブは他の木の実が少なくなると食べるようになる。ムラサキシキブ属の木の実はよく鳥が食べると記載されているが、私の知る限りではさほど採食はされていないようだ。」と記されています。
善太川の土手にもコムラサキシキブが生えていて、11月には赤紫の実をつけていました。
その傍に白いムラサキシキブもなっていました。
園芸種の白いムラサキシキブの種が善太川にも運ばれてきたのでしょうか。
鳥が種や実を運搬する方法は、私たちが考えている以上に子孫を残す戦略として大きな役割を果たしているかも知れないなぁと思いました。
(クマツヅラ科 ムラサキシキブ属)落葉低木
カモ撮りこうちゃん