餌場をめぐるトビとカラスの攻防を見かけた
蟹江周辺にはカラスはたくさんいますが、ほとんどはハシボソカラスです。
カラスは繁殖期以外は群れで行動するものの、秋から冬には特に大きな群れになるのが一般的な習性のようです。
カラスは賢い上に群れで行動するので、鳥の中ではいつも我が物顔で振舞っているように思われます。
あま市の五条川の堤防沿いに骨粉工場があります。
鳥、牛やブタの骨粉を原料にした飼料や肥料などを作っているようです。
工場近くはすごい臭いがします。
冬に写真撮りで土手や川の叢を歩くと、北西の風で流れてきた臭いで頭がくらくらします。
工場に隣接してたくさんの民家が建っているのですが、四六時中この臭いの中で生活しているのを考えると気の毒だと思ってしまいました。
この工場からの排水の中に骨粉の残骸があるらしく、五条川に流れ込む狭い用水路にはカラスが何匹も降りて餌探しをしています。
五条川の対岸を見ると、土手の樹木にカラスがたくさんとまっていて塒(ねぐら)になっている様子です。
工場からの排水ばかりでなく骨粉の材料が置いてあるからか、秋から翌春にかけてトビが周辺でたくさん飛んでいます。
トビもこの工場の恩恵を受けて生活しているようです。
トビが一羽で工場の上を飛んでいると、2羽のカラスが飛び立ってトビを威嚇し攻撃しているのを見かけます。
トビは悠然と飛んでいて大型機の様相ですが、カラスは中型機で細かい動きができます。
そして上空からトビに攻撃を仕掛けます。
トビが多いとカラスは攻撃しないことが多いのですが、それでもトビの1羽を集中的に追いかけることもあります。
始めは2羽でそのうち1羽は降りていくのですが、残った1羽は執拗に追いかけます。
これまでトビが攻撃される場面を多く見かけました。
でも今回トビが上空からカラスに脚を下ろして反撃している様子を見かけました。
猛禽類のトビが断然強いはずだと思い込んでいたのに、いつもカラスに負けてばかりだなあと思っていたところだったのです。
やる時はやるんだという感じでしょうか。
どちらも骨粉工場から出る残骸を巡って譲れない感じです。
数年前から観察していると、夏にはあまりトビを見かけません。
どこかに移動して過ごしていると思われます。
餌が捕りにくい冬になると、この工場周辺に集まってくるのではないかと思われます。
半面カラスは常駐しているようです。
このように骨粉工場の餌を巡る攻防がトビとカラスの間に見られるのですね。
生きていくのは大変だと思ってしまいました。
(トビ タカ目 タカ科)(カラス スズメ目 カラス科)
カモ撮りこうちゃん