交尾拒否するモンシロチョウのメスと諦め切れないオス
メスに迫るモンシロチョウのオス
尻尾を上げて拒否体勢を示すメス
諦めて飛び立ったオス
飛び立ってもメスの様子を見ながら留まるオス
メスが飛び立つと追いかけるオス
モンシロチョウのメスは交尾後に、再び交尾するのを拒否する行動をとります。
そんな場面について前に書きました。
10月末に永和の雑木林脇にはコセンダングサが咲いていて、キタキチョウとモンシロチョウが吸蜜のために集まっていました。
キタキチョウは11月に蛹(さなぎ)が羽化して成虫で冬を越すものも現れてきます。
モンシロチョウは蛹(さなぎ)で冬を越すライフサイクルなので、遅くとも11月中旬までには産卵し幼虫になって、12月半ばには蛹にならなければなりません。
この時期は最後の産卵時期に近づいていると思われます。
コセンダングサの花の周りで2匹のモンシロチョウが近づきました。
1匹は表翅の上部が薄灰色なのでメスだと分かりました。
もう1匹はオスでメスに迫っているのです。
メスは葉の上に降りて翅を開き尻尾を持ち上げました。
交尾拒否の体勢です。
オスはメスの上で様子を見ている風情です。
それからオスは少し飛び上がり、メスの上空を飛んでいます。
すぐには離れていきません。
離れても戻ってきます。
去りがたい風情を感じました。
メスが飛び立つとメスを追いかけて飛んで行きました。
移動した先でもオスがまとわりついています。
その後やっとオスとメスは離れました。
チョウのメスは交尾後すぐには産卵しないようです。
トンボでは交尾後すぐ産卵行動に入ります。
チョウの場合オスがメスを見つけて交尾を迫っても、既に交尾しているのかどうか分かりません。
メスは交尾後に特別のフェロモンでも出ていなければ、オスはメスを見たらとにかく迫るしかありませんね。
拒否され諦めるプロセスを経るしかないのです。
モンシロチョウのオスの諦め切れない行動を見て、人間と同じ感情がモンシロチョウにもあるのではないかと思ってしまいました。
ツマグロヒョウモンでも似た場面を見かけました。
自宅の庭でツマグロヒョウモンのオスとメスが絡み合ったのですが上手くいきませんでした。
オスは諦めて飛んで行ったのですが、また戻ってきました。
その間にメスはいなくなっていました。
するとオスはその場所をうろうろと飛びながらメスが戻ってくるのを待っている風情だったのです。
17世紀のデカルトの動物機械論では、犬なども機械仕掛けにできているので、鳴いているのを平気で叩いたりしました。
その後、動物にも人間と同じような感情があると考えられるようになり、今ではペットとして家族の一員として扱うようになりました。
だとしたらその延長線上にモンシロチョウにも感情があると考えても良いのではないでしょうか。
こんな行動を見るとありそうな気もするのです。
とても面白い問題だと思いませんか。
(シロチョウ科 モンシロチョウ属)
カモ撮りこうちゃん