ムカゴができるムカゴイラクサを見かけた
ムカゴイラクサのいろいろ
ムカゴイラクサのムカゴと花
秋になって天童周辺の山道や叢を歩いて色々な植物に出会いましたが、珍しくて驚いた植物の中にムカゴイラクサがあります。
イラクサは葉の裏に小さい刺毛があり、それが折れて皮膚に突き刺さってチクチクして痛みます。
叢にイラクサがある時には、それを避けて通るか軍手や厚手のズボンをはいて入りました。
山形市の高瀬にある風立寺の駐車場脇の叢で、初めてムカゴイラクサを見かけました。
とても驚きました。
葉の様子からイラクサだとすぐ分かりましたが、葉の出る脇(葉腋)にムカゴがついているのです。
それまでそんなイラクサがあることなど考えたこともありませんでした。
しかもそのムカゴはヤマノイモのムカゴとそっくりなのです。
すぐにムカゴご飯にできるのだろうかと考えてしまいました。
それからは山沿いの薄暗い叢などを歩くたびに、ムカゴイラクサがないか探して見ました。
高瀬付近ではよくムカゴイラクサを見かけるようになりました。
ムカゴは親と同じ遺伝子を伝えるので、種の有性生殖によって親と異なる遺伝子を伝えるものとは違っています。
ここでもムカゴイラクサは子孫を残す2段構えの戦略を採っています。
「素人植物図鑑」(www.jplants.sakura.ne.jp)には「イラクサに似ていて、葉腋にムカゴをつけることからこの名がある。山地の陰湿地に生える雌雄同株の多年草で、高さ40~80㎝になる。根は紡錘状に肥厚する。同属のミヤマイラクサと同じく、茎や葉、葉柄には触ると痛い刺毛があるがミヤマイラクサよりだいぶ少ない。葉腋に直径5㎜のムカゴをつけるのが大きな特徴。ミヤマイラクサほど認知されていないが山菜としても利用される。ムカゴも食べられる。」と記されています。
このムカゴは食べられるのかどうか。
多くの資料では「食べられないようである」と記されているものが多いようでした。
葉が開く前の若い茎が食べられ、味が良いらしいので、毒草という訳でなく、ムカゴも食べて大きな被害はないかも知れません。
但しミヤマイラクサ(アイコ)に比べて大量に採取できないことも食べない理由なのかも知れません。
ところで私たちが痒くなる蕁麻疹(ジンマシン)はイラクサの漢名からきているようです。
イラクサに刺されるとそうした症状を引き起こすのです。
「君子危うきに近寄らず」でしょうかね。
(イラクサ科 ムカゴイラクサ属)
カモ撮りこうちゃん